1.はじめに
本シリーズでは、日頃の作業を効率化し、定時で帰宅する方法を紹介しています。主な業務効率化の例は、下記の通りです(詳しくは第154回を参照)。
- スペックの高い機器を導入する
- 使用機器を使いこなす
- ツールを導入する
- 自分でツールを作る
- 働き方を工夫する
今回も、前回に引き続いて「自分でツールを作る」を取り上げます。
2.シリーズの振り返りと今回のトピック
本シリーズも12回目になりました。業務効率化のイメージがつかめたでしょうか。全てを効率化することは難しいので、小さいことから始めてはいかがでしょうか。
本題に入る前に今までの記事を振り返ります(表1)。
連載回 | シリーズNo. | 内容 |
---|---|---|
第154回 | 1 | シリーズの概要説明 |
第155回 | 2 | Windowsの便利なショートカットキーの使い方 |
第156回 | 3 | |
第157回 | 4 | 仮想化ソフト(VirtualBox)を使用したUbuntu環境の構築方法 |
第158回 | 5 | GoogleTestを使用した単体テストの実施方法 |
第159回 | 6 | |
第160回 | 7 | RLogin(ターミナルソフト)の使用方法 |
第161回 | 8 | VBAを使用した簡単な自作ツールの作成方法 |
第162回 | 9 | |
第163回 | 10 | |
第164回 | 11 | |
表1 本シリーズのこれまでの内容 |
※写真はイメージです
本シリーズでは主に、「機器の操作方法」「便利ツールの使用方法」「自作ツールの作成方法」を紹介してきました。
上記を見ると、効率化では環境構築が高いハードルになると感じました。例えば、「VirtualBox」「GoogleTest」「RLogin」は、Windowsの初期状態から使用できず、プログラムのインストールなどの初期設定が必要ですし、VBAもExcelオプションを変更しなければなりません。
環境構築はプロのエンジニアでも苦戦することがあり、場合によっては環境構築できずに挫折することも少なくありません。今回は、「何か改善したいけど環境構築が面倒」という人をターゲットにしました。
3.環境構築なしで自作ツールを作る方法(Windows 10の場合)
環境構築なしで自作ツールを作る方法としては、選択肢として以下の3つが考えられます(表2)。
No. | プログラミング言語 | 特徴 |
---|---|---|
1 | VBS(Visual Basic Script) | ・VBライクなスクリプト言語 ・文法がシンプルで扱いやすい |
2 | Batch(バッチ) | ・複数のコマンドを順次実行する ・Linuxでいうところのシェルスクリプト |
3 | PowerShell | ・シェルスクリプトに似た高機能スクリプト言語 ・VBSと比べると習得に時間がかかる |
表2 環境構築なしで使用できるプログラミング言語 |
表2のVBS、Batch、PowerShellは、Windowsの初期状態から使用可能で、環境構築する必要がありません。面倒な環境構築をスキップし、現状の環境で自作ツールを作れます。
上記の3つのどれを使用するかは好みがありますが、今回は「VBS」に着目し、実行方法と簡単なプログラムの記述方法を解説します。
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