
アニメ「ドラえもん」に登場するひみつ道具「ガリバートンネル」に形が似ているとして親しまれてきた神戸・三宮にある地下道への連絡口が6日、約90年の役割を終えて閉鎖される。神戸空襲(1945年)や阪神大震災(95年)を耐え抜いた貴重な「歴史的建造物」が失われることに惜しむ声が広がっている。
正式名称は地下道連絡口「A14出入り口」(神戸市中央区)。JR三ノ宮駅前の三宮交差点から東約100メートルの歩道上にある。地上部分はコンクリート製で、半楕円(だえん)形の入り口から全長約5・2メートルある階段(幅約1・2メートル)を計26段下りると駅や地下飲食店街につながる。
市によると「そごう神戸店(現・神戸阪急)」が開店した90年前の1933年には既にあった。市中心部では最も古い建造物の一つとみられる。市の担当者は「神戸空襲の時にこのトンネルから地下へ逃げ込んで生き延びた人もいるみたいです」と説明する。

駅南側の中央幹線には現存を含め計四つの「ガリバートンネル」があったという。路面電車「神戸市電」(71年廃線)の利用者が乗り降りする時に地下から乗り場に行けるように建設された。最近では駅前のバス停や駐輪場の利用者が使っていたが、そのバス停も3月末に廃止された。
最後まで残った一つも6日に閉鎖され、近く取り壊される。市とJR西日本などが2029年度の開業を目指して進めている「JR三ノ宮新駅ビル(仮称)」や駅前周辺整備に伴い、トンネルがある場所には高さ約10メートルの歩行者デッキが建設され、その橋脚が付近に建てられる計画があるためだ。
市によると、計画が公表された5月以降、「残念」「残してほしい」「いつまで現地で見られますか」などと全国から問い合わせが相次いでいる。現場に訪れて写真撮影する人の姿も多い。
市都心再整備部の担当者は「長い間、大事に利用していただきありがたい。将来を見据えたまちづくりのために取り壊すことになるがご理解ください」と話している。【関谷徳】
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