政府が標準額を定めている国立大学の授業料について、大学の裁量で自由に金額を決められる制度の検討がスタートしました。かつて国立大学は学業成績さえ優秀であれば、貧富の差に関係なく高度な教育を受けることができる場所でしたが、年々授業料の上昇が進み、今では私立との差がかなり縮小しています。ここで自由化が行われた場合には、私立との差はほとんどなくなる可能性が高いでしょう。
東工大、東京芸大などが値上げ
国立大学の授業料には年間53万5800円という標準額が定められており、大学独自の判断で値上げも可能ですが、2割までという制限があります。東京工業大学や東京芸術大学が2019年度から値上げを実施しているほか、千葉大学や一橋大学なども値上げを決めています。
国立大学は政府から支払われる運営交付金を収入の柱としていますが、財政難から年々交付金の額が減らされており、各大学は収益の確保に苦労しています。このため文部科学省は大学の学長や企業関係者らによる有識者会議を設置し、授業料の自由化に関する議論をスタートさせました。2月に最初の会合がスタートしており、年内には結論が出る見込みです。
教育の機会均等を確保できるのか
昭和50年くらいまで、国立大学の授業料は極めて安く、私立大学の平均授業料との比較では5分の1以下でした。もともと国立大学は、貧富の差に関係なくエリートを養成する目的で設置された機関ですから、学生から高額の授業料を徴収するという発想はありませんでした。しかし昭和末期からはほぼ2年に1度のペースで値上げが行われており、私立大学との差は6割まで縮小しています。
ここで国立大学の学費を自由化した場合、一斉に大幅な値上げが実施されるのはほぼ間違いありません。一部から日本の公教育が崩壊するとの指摘も出ていますが、政府は機会の均等についてはあまり重視していないように見受けられます。
2019年10月、大学入学共通テストにおける民間英語試験導入に関して、萩生田文部科学相が「身の丈に合わせて勝負を」と発言したことが問題視されたことがありましたし、2018年には麻生財務相が、国立大学出身の市長に対して「人の税金を使って学校へ行った」と批判するという出来事もありました。今年から大学無償化の施策が始まりますが、現実には極めて所得の低い人しか支援の対象になっておらず、中間層にとってはほとんど恩恵がありません。教育は所得の高い人だけが受けるべきという価値観を持つ政治家が少なくないという現実を考えると、教育の機会平等を確保するのは難しそうです。
(The Capital Tribune Japan)
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