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「縄文原体」こういう形かも 模様づけ道具の跡残る土器片公開 千葉市・加曽利貝塚博物館 - 東京新聞

縄文原体の圧痕があった土器片(右)と、再現した縄文原体=いずれも千葉市若葉区で

縄文原体の圧痕があった土器片(右)と、再現した縄文原体=いずれも千葉市若葉区で

 国指定の特別史跡・加曽利貝塚(千葉市若葉区)から出土した、縄文土器に縄目模様をつける道具「縄文原体」が入り込んだ痕跡がある土器片が、加曽利貝塚博物館で一般公開されている。土器作製中に生地の中に入った縄文原体は焼成時に焼けてなくなり、圧痕と呼ばれる跡が残る。圧痕がある土器は国内で2例目という。(平野梓)

 縄文土器は、縄ひもを生地の表面に転がして凹凸の刻みをつけ、文様を描く。「縄文学の父」と呼ばれた考古学者・山内清男(やまのうちすがお)さんの研究によって、93年前にその技法が示された。ただ、縄文原体そのものはまだ発見されていない。

 今回の土器片は1965年に出土したもので、4千年前の縄文時代後期に作られたとみられる。市埋蔵文化財調査センターと考古学研究者らによる共同調査により、2019年に土器片から圧痕が見つかっていた。圧痕は空洞になっており、一見、細長い穴のようにも見える。調査では、エックス線で3次元画像を撮影する最新技術などを駆使して、埋まっていた縄文原体の全容が明らかになった。これにより、上下に二つの結び目がある縄文原体が再現できた。

 同センターの西野雅人所長は「われわれがイメージするものと、完全に一致していた。一度も見たことがないものが、現実となった感動がありました」と語る。縄文原体の圧痕がある土器は岩手県内の遺跡から出土しており、今回はそれに続く2例目となる。

「考古学者ならみんな驚く」と、展示コーナーを紹介する西野所長

「考古学者ならみんな驚く」と、展示コーナーを紹介する西野所長

 5月末に千葉大西千葉キャンパスで開催された学会で発表すると、「多くの研究者に注目された。考古学者ならみんな驚く発見だと思う」と西野所長。加曽利貝塚博物館での公開は9月22日まで。入場無料。今年は、東京帝国大(現東京大)人類学教室による加曽利貝塚の発掘調査から100周年。節目を彩る展示となっている。

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