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ラッコは道具の使用で歯のダメージを軽減していた | 記事 | 新潮社 Foresight - 新潮社 フォーサイト

2024年6月16日

カリフォルニア州沖の太平洋で、カリフォルニアラッコが獲物を食べる(C)Chris Law/Handout via REUTERS

ラッコは道具を使うことでより大きな獲物を食べることができ、硬い殻を噛み砕くことが減るため、歯のダメージを防ぐことが明らかになった。特にメスのラッコは、比較的体が小さく噛む力が弱いからか、道具を使う頻度が高かった。

[ロイター]ヒト以外の動物も、道具を使うときがある。例えば、チンパンジーは石で木の実を割り、枝を使ってシロアリを捕る。イルカは食べ物を探すときに、くちばしを守るために海綿を使うことが知られている。また、ガラパゴス諸島のフィンチは、サボテンのとげを使って穴の中から幼虫を掘り出す。

 ラッコもまた、道具を使う動物の一種であり、岩などを使って殻の硬い獲物を割ることが知られている。そして今、新たな研究により、ラッコの道具の使用に関する理解はさらに深まってきている。5月16日に学術誌『Science』に掲載された論文で、ラッコは道具を使うことでより大きな獲物を食べることができ、硬い殻を噛み砕くことが減るため、歯のダメージを防ぐことが明らかになった。特にメスのラッコは、比較的体が小さく噛む力が弱いからか、道具を使う頻度が高かった。

 研究チームは、カリフォルニア州中部の沿岸地帯ビッグサー、モントレー、サンルイスオビスポ、ピエドラスブランカス、エルクホーンスラウで196匹のカリフォルニアラッコを観察した。

 ラッコは背中で浮きながら獲物を食べ、歯を使って獲物を開くきもあれば、石や貝殻、空き瓶などをハンマーのように使って貝類の硬い殻を開けるときもある。船や桟橋の表面に殻をぶつけて割ることもある。

 獲物にはウニ、アワビ、カニ、二枚貝、カタツムリのような巻き貝、ユムシなどが含まれる。特に大きな獲物の殻は、道具なしでは殻を割って中の食べられる柔らかい部分に到達できず、二枚貝や巻貝などもまた、道具なしでは割って食べることができない。

 テキサス大学とワシントン大学の進化生物学者であり、論文の筆頭著者であるクリス・ロー氏は「道具の使用は、普通に噛むだけでは食べられない硬い獲物を食べられるようにすることで、必要なエネルギー量を確保することを可能にする。一部のラッコにとって、この行動は資源が限られている環境で生き残るために必要なことであると示唆している」と述べた。……

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