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青森でいま話題の「風呂道具 IN CAR」ステッカー 考案者は県庁職員!?その思いを取材しました - nhk.or.jp

あっぷるワイド 5月17日放送

  • 2024年05月20日

車のうしろに貼ってある、「BABY IN CAR」と書かれた黄色と黒のステッカー。
みなさん一度は見たことがあるのではないでしょうか。

しかし、ここ青森県でいま話題になっているステッカーは「風呂道具 IN CAR」!

風呂道具が車に乗っている?なぜ?  
というか乗っているからって何?

さまざまなハテナが浮かぶこちらのステッカー。
しかしそこには“アツ~い”思いが込められていました。

風呂道具 IN CARな青森県民

夕暮れ時に青森市内の温泉施設を訪れると、平日にも関わらず多くの利用客が車で来店していました。  
車を降りると、みなそろって一度後部座席やトランクに行き、「カゴ」を持って、温泉に入っていきます。話しを聞くと…

利用客  
「これは風呂道具です。毎晩風呂に来ますから、かれこれ15、6年前から車に積んでいます」

利用客  
「シャンプーとかボディソープとか、ばらばらに持って歩けないよね。だからカゴに入れている。こっちはそれが当たり前なのさ」

そんな青森県民のなかで、最近じわじわと人気が出ているのが、こちらのステッカーです。  
取材中も貼っている車を見かけ、持ち主に話しを聞いてみました。

ステッカーを貼っている人
「“BABY IN CAR”というのはよく見かけるけど、“風呂道具 IN CAR”はなんか面白いと思って。冗談のステッカーですよね」

ステッカーを貼っている人  
「いいデザインですよね。でも当たり前に風呂道具を積んでいるので、なんで最近またこういうのが人気なのかなってちょっと不思議な感じです」

実は「銭湯・温泉大国」青森県

青森県には、全国的に知られる温泉地から地元の人でにぎわう銭湯まで数多くの施設があります。  
それもそのはず、人口10万人あたりの一般公衆浴場の数は日本一。  
温泉地の数も全国5位という「銭湯・温泉大国」なのです。  
このため、風呂道具を車に常備する人が多いといわれています。

ステッカー考案者は?

そんな青森の独特の文化を表すステッカーを企画したのは青森県庁の職員です。

発案した観光政策課の三上悠維(ゆい)さんは、仕事場のロッカーに風呂道具を常備する温泉ファンです。

三上さん

車に風呂道具を積んでいるという文化が実は青森県民特有というか、珍しいものだっていうことを県外の方に伺いましてその面白い文化を県内外にPRして、青森県が“温泉県”だということをみんなに知ってもらえたら。

デザインでこだわったポイントは、「青森県の形」をいれること。  
ちなみに、ステッカーに描かれている風呂道具は、シャンプー、コンディショナー、ボディブラシ、タオルだそうです。せっけんは小さいのでカゴのなかに隠れているという設定です。

去年12月、ステッカーを試験的に県内の公衆浴場で無料で配布したところ、SNSなどで話題に。
商品化を希望する声が寄せられたことから、県内の温泉施設が中心となって商品として売り出されることになりました。

込めた思い

遊び心あふれたこのステッカーですが、三上さんは観光PRだけではなく、こんな思いも込めました。

三上さん

経営が苦しくて、立ちゆかなくなってしまいお休みしているとかやめてしまった施設もあると聞いていますので。ステッカーが広まることで、みなさんがちょっとでも公衆浴場に足を運ぶきっかけになればいいなと思っています。

県民に愛されてきた公衆浴場ですが、物価の高騰や後継者不足などさまざまな問題に直面しています。三上さんは、このステッカーによって業界に少しでも元気を届けたいと考えたのです。

苦境の銭湯店主は

青森市の銭湯の代表の須藤正智さん。  
須藤さんもステッカーに勇気づけられた1人です。

創業64年の昔ながらの銭湯ですが、利用者の減少などで、厳しい経営が続いています。

須藤さん

原油高とかデイサービスの普及とか、家庭風呂の充実とか、そういうのがあって、銭湯の方はなかなかお客さん離れが進んでいる。銭湯文化とか伝統は絶やさないで、ずっと続けていきたい。

銭湯の経営の傍ら、デザイナーとしても活動する須藤さん。  
ステッカーのような話題のグッズを作れば、利用者が増えるのではないかと、銭湯の名前が刻まれたTシャツなどの販売準備を進めています。

須藤さん

去年からこういうのは考えていたのですが、いま一歩踏み切れない部分もあって。ちょうどステッカーがきたからこれに便乗しようかなって。いまは苦境を楽しんでいますね。

思いは海を越え…

三上さんがステッカーに込めた思いはこんな所にも。

先日行われた、青森県に来たシンガポールの学生の歓迎会です。  
青森県の魅力をプレゼンしていた、三上さんの同僚の県職員の手には、あのステッカーが!

県職員
「青森県民、自分の車のなかにお風呂道具を常に置いている人が多いと言われています。ぜひシンガポールでみなさまに貼っていただきたい!」

ステッカーはその場で学生にプレゼント。
三上さんの思いは海を越え、6000キロ近く離れた国にまで届くことになりました。

シンガポールの学生

お風呂の道具は車に入るのは、 珍しいなと思う。ふつう、お風呂は家の中ですから。ステッカーはとても面白いと思います。

ステッカーの登場で再認識された青森の風呂文化。  
業界をアツ~くさせるのか目が離せません。

※補足情報※  
ステッカーはひとつ450円で販売されていて、売り上げの一部は「青森県公衆浴場業生活衛生同業組合」に寄付されます。5月17日現在、青森県内30の入浴施設や土産店などで販売されていて、販売されているお店のリストは県が運営する「まるごと青森」というX(旧Twitter)のアカウントで確認できます。

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