沖縄の古武道で使われる金属製の道具で、入手が困難となっている「釵(さい)」について、県内の企業が新たに生産に乗り出しました。
「釵」は、大きなかんざしのような形をした金属製の武具で、沖縄の古武道で使われます。
沖縄では、古武道は空手と車の両輪のような存在と言われ、両方を学ぶ愛好家も少なくありません。
国内外での空手人気の高まりから、近年、「釵」の需要が増えていますが、職人の高齢化などにより入手が困難な状況となっています。
こうしたなか、空手関連の事業を手がける那覇市の企業と糸満市の金属加工メーカーが、3つのタイプの「釵」の生産・販売に乗り出しました。
開発にあたっては、県内各地の道場に残る「釵」の分析を行うとともに、古武道の師範からも助言を受けて試作を重ね、中国で量産できる体制を構築したということです。
空手関連事業を手がける企業の上野昌史代表は、「釵」は県外や海外の鍛冶職人などに製造を依頼するケースがあるものの、競技用の規格にあっていないものもあり、量産も難しい状況だったとしたうえで、「古武道に興味を持った方がやりたいときに、ちゃんと手に入るという状況を作っていきたい」と話していました。
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