子ども一人が大学を卒業するまでの約1000万円かかる、なんて聞いたことありますか? その準備が必要とは思いつつ、「本当にそんなにかかるの?」と疑問に感じている人もいるかもしれませんね。今回は、子育て中の家庭の多くが関心を持っている「子どもの教育にかかるお金」について、調査結果をもとに考えていきましょう。
「大学卒業までに約1000万円」ってホント?
大学までに必要な金額は、国公立/私立、どのような進学ルートとなるかによって異なります。「文部科学統計要覧[平成31年(2019年)版]」によると、進学先の割合は以下のようになっています。 幼稚園から大学までの進学先の割合 • 幼稚園:国立0.4%/公立15.5%/私立84.1% • 小学校:国立0.6%/公立98.2%/私立1.2% • 中学校:国立0.9%/公立91.8%/私立7.3% • 高校:国立0.3%/公立67.5%/私立32.2% • 大学:国立20.9%/公立5.4%/私立73.7% 幼稚園は私立、小中高校は公立、大学では私立が多いという傾向が分かります。 進学・在学費用はいくらになる? 次に、国公立/私立の別による費用を確認しましょう。幼稚園~高校の費用は「学費」「給食費」「校外活動費(習い事、学習塾など)」を含む金額で、大学については「入学費用」「4年間の授業料」で算出されています。幼稚園~高校については「平成30年度(2018年度)子供の学習費調査の結果について」、大学は「国公私立大学の授業料等の推移」(いずれも文部科学省)のデータをみていきます。 国公立学校の費用 ・幼稚園(3年間):67万941円 ・小学校(6年間):192万7686円 ・中学校(3年間):146万5191円 ・高校[全日制](3年間):137万2140円 ・大学(国立大学):242万5200円 ・大学(公立大学):254万7327円 私立学校の費用 ・幼稚園(3年間):158万3748円 ・小学校(6年間):959万2146円 ・中学校(3年間):421万9299円 ・高校 [全日制](3年間):290万9733円 ・大学(4年間):386万6569円 最も一般的な進学ルートで費用を計算すると では、最も割合の多かった《幼稚園・私立→小学校・国公立→中学校・国公立→高校・国公立→大学・私立》を一般的な進学ルートとして、費用を計算してみましょう。 ・幼稚園・私立:158万3748円 ・小学校・公立:192万7686円 ・中学校・公立:146万5191円 ・高校・公立:137万2140円 ・大学・私立:386万6569円 合計で1021万5334円。やはり教育費は「子ども1人1000万円」という金額が目安として適切かもしれませんね。 国の支援制度も活用したい 2019年10月に「幼児教育・保育の無償化」、2020年4月から「私立高校授業料の実質無償化」と「高等教育(大学・専門学校等)修学支援新制度」が始まり、国の「3つの教育無償化」制度が出そろいました。この中でもとくに注目度が高い、「私立高校授業料の実質無償化」については下で触れておきましょう。 ■「私立高校授業料の実質無償化」 2020年4月から、私立高校等についても就学支援金の上限額が引き上げられ、在校生を含めて高校に通う多くの生徒の授業料負担が軽減されることになりました。ただし、軽減されるのは「授業料」の部分。公立高校での軽減額は11万8800円、私立高校等の軽減額は39万6000円です。 私立高校(全日制)の場合は世帯収入に上限(年収目安:約590万円未満)もありますし、授業料がこれを上回る学校もあるでしょう。「施設拡充費」「寄付金」なども必要となる私立高校が多いようです。そのほか、公立・私立を問わず、通学定期券代や学校教材費、部活動費、塾の費用も含めて考えると、高校時代にはこれからも少なくない負担が待ち受けているといえます。
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June 15, 2020 at 05:16PM
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