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大学はゴールではない。学び続ける人が生き残れるたった一つの理由とは - Business Insider Japan

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これまで自分のキャリアについてそれほど真剣に考えることなく過ごしてきた人たちも、「自分自身でキャリアを考えていかなければ生き残れない」という風潮が年々強まっている。ビジネスパーソンがこれからの時代に身につけるべき「学ぶ力」と「学ぶ習慣の大切さ」を、グロービス経営大学院教員の鳥潟幸志さんと加藤剛広さんに聞いた。

変化を怖いと思うか、面白いと思うか

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加藤剛広さん。グロービス経営大学院教員。大手メーカー、ネットベンチャーを経て、グロービスのデジタルプラットフォーム事業部にてデジタルコンテンツや学習インフラの開発、学習データ分析等の統括リーダーとして複数の事業を兼任。加えて大学院の創造系ファカルティに所属しコンテンツ開発、講師育成等も兼務。

———「AIの脅威にどう立ち向かうか?」という話が数年前からブームになっています。人間の仕事やキャリア、学びについても、こうしたトレンドを押さえる必要はありますか?

加藤剛広さん(以下、加藤):エンジニア出身の私からすると、AIだからどうこうではなく、歴史を振り返れば、常にテクノロジーによって人間の仕事は変わっていることのほうが大事です。最初の就職は、学歴だけで評価されることもありますが、社会人生活はそこから40年は続く。その間に大きくキャリアチェンジするぐらいの変化が起きるのは必然です。

AIも含めて、技術の進歩が生活の変化にまで影響を及ぼすスピードは比較的緩やかです。すぐに未来がやってくるわけではない。その中で、なくなる仕事は一定数あります。例えば、電話交換手という仕事はテクノロジーの普及とともになくなりました。

AIもその延長で考えていけばいいのです。なくなる仕事もあれば、テクノロジーによって生まれる仕事もある。いつの時代も新たな仕事は生まれます。脅威になるとすれば、今の仕事にしがみつき、何も変われない人にとってでしょう。変化に対する恐怖を持っている人には大変な時代です。

変化を恐れない人は好奇心を持っています。新しい知識を手にしたい、新しいチャレンジをしてみたい……と常にアンテナを張って、学んでいます。多くの人はそうはいかず、フロントランナーに追随する。職場で高い地位にいるとなおさら過去を捨てられない、自分のやり方に固執して変えられない人もいる。こういう人は時代に取り残されても仕方ないでしょうね。

もやもやの正体は大きく分けて2つ

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鳥潟幸志さん。グロービス経営大学院教員。サイバーエージェントでインターネットマーケティングのコンサルタントとして、金融・旅行・サービス業のネットマーケティングを支援。その後、デジタル・PR会社のビルコムを共同創業。グロービスに参画後は小売・グローバルチームに所属し、コンサルタントとして国内外での研修設計支援を行う。 現在は、社内のEdtech推進部門にて『グロービス学び放題』の事業リーダーを務める。

———鳥潟さんは会社員生活を経て、起業して、今時代の変化の真っ只中にいますね。20代、30代のビジネスパーソンも同様に、キャリア形成に悩む人は多いのでは。

鳥潟幸志さん(以下、鳥潟):それは多いですね。グロービス学び放題でキャリア・志関連の動画を担当していますが、もやもやを感じている人は多いです。

もやもや感はいくつかに分類できます。一つ目が、よくいわれる「人生100年時代」です。ずっと稼ぎ続けなきゃいけないということは、常に変わり続けなきゃいけないということ。変わりつづける必要性に対して不安を感じている人です。今の仕事を継続するだけじゃだめだということに焦りを感じて、もやもやしてしまう。

二つ目が、「○○さんが会社を起業した」「△△さんが資金調達した」など他人の成功例をSNSで見て不安に思ってしまう人たちです。他人と比較して過度に焦ってしまう。ここに私たちのサービス「グロービス学び放題」のニーズがあります。もやもや感を抱えた人たちが、悩んでばかりではなく学びのモチベーションに変えて欲しいと思っています。本当にやりたいことに対して一歩進めるためのツールとしてほしいのです。

———他人に対して羨望する人と成長したい人、どちらが一歩踏み出しやすいのでしょうか?

鳥潟:後者の方が成功している印象がありますね。社会課題に問題意識を持ってアプローチしている人はやっぱり強いですよ。前者だけがモチベーションだと、何かあった時に他人のせいにしがち。

加藤:私も同じですね。内発的動機が強い人が成功しています。一つ付け加えると、社会に対する志も大事ですが、コンプレックスがある人も結構成功しています。自分の中にあるコンプレックスを払拭したいという思いが、モチベーションとなり、成功をつかんでいる方も結構な数います。

通勤時間の「1駅分=2〜3分」を学びの時間に

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———「グロービス学び放題」のサービス・コンセプトについて教えてください。

鳥潟:グロービス学び放題では、1本あたり3分程度の短い動画と、1時間程度の長い講義を分割したものといった形で、受講者の目的や習熟度に応じたものを用意しています。ビジネス書の動画版という位置付けで、ナレッジを習得する場です。

立ち上げ時に海外も含めて、オンライン学習の成功事例をいろいろ調査しました。アメリカで発表された調査によると、人間が動画学習で集中できる時間は7分程度でした。しかし、今の日本の環境なら、集中できる時間はアメリカよりももっと短いのではと考えました。通勤時間の合間に利用してもらいたいと思ったので、まず「一駅分=2〜3分」が集中が続く時間ではないか、と仮説を立ててみたのです。

視聴データを検証したところ、動画を見始めてから終了するまで見る人は9割程度です。これは相当高いほうです。登録して、お金も払っているけど見ていないという人もいるので、課題はありますが、まず見てもらえれば、高確率で最後まで視聴できるプログラムになっています。3分という短い時間なので、最初に動画のポイントも提示しています。見終わって、「あれ学びたいことと違った」というギャップはなくしたいからです。

ポイントは、どの業界のビジネスパーソンでも、実務で使えるプログラムを組んでいることです。例えば「クリティカル・シンキング」や「マネジメント」「データ分析」といったものですね。

加藤:グロービス学び放題は、学ぶ機会を均等化したいという思いでやっています。フランス料理のコースのように、学びの面で意味のある順番を考えて、グロービス学び放題の構成を考えています。通しで見れば、基本から次のステップへと移行できます。

我々も受講者のニーズの絶対解はわからないので、一つ一つトライしている部分はあります。トライを繰り返しながら、学んでよかったと思えるコンテンツを作っています。OSが最新じゃないとPCがアップデートできないように、グロービス学び放題でも大事にしている学ぶ力を身につけるような基礎的な部分、例えば「Learn How To Learn」や「クリティカル・シンキング」は学びのOSです。

それと我々もまだ求める学習サービスが提供できているとは思っていません。例えばグロービス学び放題を登山に例えると、我々が目指したいのは、良きガイドとして最良の登山ルートを提案して、最短時間で山頂まで案内できるようなサービスです。いずれAIなどのテクノロジーを活用して、このようなことができるサービスに進化させたいとは思っています。

学びには「短期、中期、長期」の3つの目標設定

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———会社でステップアップしたいビジネスパーソンに、どのような学びを勧めますか?

鳥潟:グロービス学び放題では、「学び方」をテーマにしたプログラムを設けています。手始めに、それを見てほしいです。私がよく言っているのは、学びには「短期、中期、長期」の3つの目標設定が大事だということです。 長期というのは、将来の夢です。中期はどういうキャリアを積みたいか。数年スパンの目標です。短期は、今の目の前の仕事をどうやって解決するかです。

長期・短期の目標が明確に定まっていない方には「短期の課題を解決する」から始めることを推奨しています。中長期の目標に向かうのも大切ですが、目の前に具体的な問題があるなら、それの解決を目標にしましょう、と。

グロービス学び放題で提供している「クリティカル・シンキング」を例にとってみましょう。論理的に考える力というのはスキルなので、これはトレーニングによって向上します。グロービス学び放題で、考え方の基礎を知ることで思考がスムーズになります。これは短期で効果が出ますよね。

最初から、中期で明確な目標があるのであれば、それで設定しても問題ない。今の時代必要なのは、仕事で培える経験以外の経験をどう積むかです。仕事の後の時間の使い方は自分次第。学びは今の仕事の解決のアプローチにもなりますよ。

「こうなりたい」の欲求が学びにつながる

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———現実は時間を捻出するのに苦労する。ビジネスパーソンでも課題が明確な人は動くと思います。もやもやしている人にアドバイスはありますか?

加藤:私はスイッチが入った時に学べばいいと思っています。スイッチの入り方は人それぞれです。誰かを見返したい、人より良く見られたい、といった「〜たい」という欲求は人の数だけあるはずです。

AIは過去のデータから的確に判断する能力は優れています。でも人間には、新しい発想をする力、他の分野と結びつけて、思いもつかない発想をするようなセレンディピティを起こす力があります。ただこのような発想は結局、ビジネスに限らず多様な知識がベースにないとできないんです。世の中にないことをしたいなら、継続的にありとあらゆる学びを続けないといけないと思っています。

鳥潟:オススメはまず頭の中のもやっとした不安を書き出すことです。それを眺めると自分が何を不安に思っているのかが可視化されます。その上で問いを立てる。

例えば「3年後に何をやっていたいか」「何にわくわくするか」。それにひたすら答えていくと自分がどうしたいと思っているかがわかります。課題が整理されると、それをクリアするにはどうするかと考えるプロセスに移せるようになります。一人で考えることが苦手な人は、仲間と一緒に考えることもお勧めしています。グロービス学び放題でも、オンライン・オフラインのコミュニティを運営していますが、受講者同士がお互いを高めあう場になっています。

いずれにせよ、答えは自分の中にあるんです。他の人と比べるよりも、自分の明日の行動を変えることの方が大事です。


グロービス学び放題

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February 21, 2020 at 09:00AM
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