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赤崎暁、川内優輝らランナーたちの「秘密道具」 走行距離やペースだけではなく、体まで知れる腕時計 - スポーツ報知

 パリ五輪に向けた連載「Messages for Paris」の第7回は「私の秘密道具」として、陸上のマラソン選手に欠かせない腕時計を取り上げる。国内外のレースを見ると多くの選手が身につけているGPS付きウォッチ。昨年からGPSウォッチ「Garmin(ガーミン)」のアンバサダーにも就任したパリ五輪男子代表の赤崎暁(26)=九電工=は8年、同補欠の川内優輝(37)=あいおいニッセイ同和損保=は13年、ガーミンの腕時計と共に選手生活を送っている。使用理由やランナーにとっての重要度、競技への役立て方などに迫る。

 位置を正確に測定するGPSウォッチは、マラソンランナーに欠かせないものとなった。これまでのランニング時、自身が走った距離の計測方法がなかったランナーに革命が起きたのだ。川内もそれを感じた一人で、2010年に購入。「公園などで距離がわかっているところをぐるぐる回るしかなかった私のような市民ランナーが、どんな場所でも自由自在に走れるようになった。魅力的でした」と目を輝かせた。赤崎も大学3大駅伝などに参戦するようになった拓大1年時から本格的に使用しているという。

 近年は、距離と時間がわかるだけではなく、トレーニング習慣を分析してくれる機能がついた。現在の自身の練習状況や体調なども把握できる。赤崎はジョグの距離やトレーニングを自身で考え、鍛錬に励む。「自分がちょっと疲れ気味だなとかっていうのもこれでわかる。練習メニューのボリュームを落としたり、調整に役立てています」。変わるコンディションを察知し、状態に応じた必要な練習に取り組むことができる。

 寝ている時にも欠かせない。睡眠の質はどんなスポーツ選手にも重要。腕時計をつけて寝るだけでどの時間帯に眠りが浅いか、深いかなどを測定できる。妻と一緒に使用している川内は「妻よりも睡眠の質が良い。だから今までリカバリーが早かったのだとわかってきました」と笑う。長期で使用すると傾向もわかってくるため「私は眠りの入りがすごく良いので、明け方はただ寝ているだけ。だからもう少し早く起きてもしっかり最初に寝ているので良いのかなって思います」と生活に反映させた。腕時計を充電するタイミングが難しいが、「お風呂に入っているときに」と川内は説明した。

 今夏のパリ五輪のコースは累積高低差が438メートル、最大勾配が箱根駅伝5、6区に匹敵する13・5パーセントという起伏の激しい難コースで「五輪史上最も困難」と呼ばれている。昨年11月にコース視察に行った赤崎は「ジョグをしましたが、悲鳴を上げながら登った感じ。自分が見て来た中で一番きつい大会になるんじゃないかな」。坂対策は必須で「ジョグで起伏のあるコースに行ったり、少しでも坂に慣れるようにしています」と強化中。GPSウォッチは標高なども測れるため、“相棒”と共にパリへ向けた最適な練習ができそうだ。

 赤崎は坂の予行練習として臨んだ1月の青梅マラソン(30キロ)は、3キロ過ぎから独走で優勝。パリのコースと動揺にアップダウンの激しいコースで結果を出し、「自分は坂に強い」と自信も得た。川内も「補欠であっても準備していきたい」と五輪に向けて気持ちを固めているが、さすがマラソン完走130回越えランナー。「5月のバンクーバーマラソン、7月のゴールドコーストマラソンでもしっかりと結果を残したい」と大会に出場しながら備える考えだ。

 走った距離、ペースを知るだけではなく、自分の体を知ることができる。その進化と共に、ランナーも成長を続けていく。(手島 莉子)

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