餅つきはお正月の定番行事ですが「実は本格的な餅つきはしたことがない」という人も多いのではないでしょうか?餅つきのやり方や餅をつく際のポイントをわかりやすく紹介します。行事で餅つきを控えている人は、ぜひチェックしましょう。
お正月の定番行事、餅つきとは
餅はハレの日の食べ物として定着していますが、正月との関わりも深くあります。
日本の伝統文化として親しまれている餅つきですが、一体いつ頃からどんな意図で広まっていったのでしょうか?ここでは、餅つきの起源や必要な道具について解説します。
餅つきに関する2つの知識
餅つきを行う意味と時期
餅つきの起源は、縄文時代にさかのぼります。平安時代には、お祝いのごとの際の行事の一つになりました。
元日は『年神様』と呼ばれる神様がやってきて、家の中に飾られている鏡餅に宿ると考えられています。
祝い事の際に餅を食べるのは『神様への感謝の意を表し力が宿った餅から活力をいただく』という意味が込められているのです。
餅つきを年末に行う場合は『12月28日』が最適でしょう。漢字の『八』は『末広がり(すえひろがり)』とも呼ばれており、縁起がよい日とされています。
反対に『29日(二重苦)』や『31日(一夜限り・葬式)』と不吉なことを連想させる日は避けましょう。年始に行う場合は『4(し=死)』『9(く=苦)』の数字が付いていない日であれば問題はありません。
必要な道具
餅つきに必要な道具は『臼(うす)』と『杵(きね)』と『蒸し器』です。臼は主に二つの種類に分けられます。
本体が傷みにくく餅を保温する効果がある『木製』と、コンパクトで保管しやすい『石製』です。木製の臼のほうが比較的扱いやすいため、初心者に向いているでしょう。
参加するメンバーを考慮して、杵は子ども用や大人用などの色々なサイズを購入するのがおすすめです。蒸し器は通常、鍋やせいろがセットになっています。
『ガスレンジ対応タイプ』や『薪用タイプ』があるため、用途に合わせて選びましょう。
餅はつくことでよりおいしくなる
現代では『ミキサー式』と呼ばれる自動の餅つき機も普及していますが、臼と杵でついた餅のほうが粘り気が強く食べ応えがあります。
ミキサー式では餅の中にたくさんの気泡ができるため、やわらかい反面歯ごたえがないのが難点です。臼と杵で餅をつけば、弾力のある餅に仕上がります。
お吸い物に入れても溶けにくく、もちっとした食感が長く続く格別の味わいです。「やわらかめよりも硬めが好き」「もちもちした食感が好き」という人は、臼と杵を使って手作りしましょう。
餅つきってどうやるの?
餅を杵でつく流れは有名ですが「それ以前の工程は知らない」という人も多いでしょう。ここでは、餅をつくまでの下準備やおすすめの食べ方について解説します。
ついてから食べるまでの流れ
簡単に流れを解説
餅つきは、前日の夜にもち米をといで10時間以上水に浸しておきましょう。もち米の量は『大人1人で1合』水の量は『もち米の2倍ぐらい』が目安です。
とぎ方が足りなかったり時間がかかってしまったりすると、ぬか臭さが残ります。米粒が割れないような力加減で素早くとぎましょう。1分程度の間に、3~4回ほど水を入れ替えるのが理想です。
餅つき当日は集団食中毒を防ぐために、マスクやエプロン、三角巾などを着用したうえで石けんでよく手を洗いましょう。蒸し器をセットしている間にもち米の水を切ります。
蒸し器の中に蒸し布を敷いて、もち米を入れましょう。『1合に対して180ccの水』を加えて、蒸し上がるまで『30分~1時間程度』待ちます。
もち米に触れてみて、手につかなかったら臼に入れて杵でつき始めましょう。
つきたてのお餅の食べ方
うるち米を粉にした『上新粉(じょうしんこ)』を台の上にまぶしてから、つきたての餅をのせてカットしていきます。
手で餅を分けるときは人差し指と親指で輪っかを作り、そこから餅をひねり出すように押し出しましょう。『5~6㎝角』の大きさでちぎった餅は、切り取ったふちを中心に押し込みます。最後に手のひらで平らにしましょう。
つきたての餅は、お汁粉に入れたり焼いて砂糖醤油につけたりするのが人気です。
チーズと海苔を巻いたり、ケチャップやチーズ、ピーマンをのせてピザ風にしたりなどオリジナルのアレンジを考えるのも楽しいでしょう。
あんこなどトッピングの準備も忘れずに
あんこやきな粉、ゴマなどのトッピングも忘れずに準備しておきましょう。人数が多い場合は人気のトッピングがすぐになくなってしまうため、多めに用意しておくと安心です。
前日に下ごしらえを済ませておいた黒豆やよもぎ、玄米と餅を混ぜ合わせてもよいでしょう。黒豆は炒って香ばしさを出し、よもぎはゆでてアクを抜いてからすりつぶしてペースト状にします。
餅に混ぜ込んでもよいですし、あんこを混ぜて『よもぎあん』にすれば子どもも食べやすいでしょう。種類を増やせば「どれにする?」と選ぶ楽しさも味わえます。
福岡県では、あごだしの効いた具がたっぷりのお雑煮に餅を入れるのが一般的です。郷土料理も取り入れて、さまざまな味を楽しみましょう。
つき方のコツ
ただペッタンペッタンと餅をつくだけでは、おいしい餅はできあがりません。ここでは、餅をよりおいしく仕上げるつき方のコツを解説します。
餅のつき方2つのポイント
まずは念入りにつぶしこねる
臼に蒸し上がったもち米を入れたら、つく前に杵で念入りにつぶしてこねましょう。杵にグッと体の重みをのせて、ゆっくりと丁寧にこねていきます。
同じところばかりでなく、餅全体をこねるようにしましょう。『臼の周りを歩きながら少しずつ外から中へ集めていく』のがポイントです。
時間が経つと杵と餅がくっつきやすくなるため、ときどき杵に手水をつけながらこねていきます。
杵を思い切り振り上げるのは危険なため要注意です。子どもが参加する場合は、餅のつき方を大人が教えながら一緒についていきます。
返し手とタイミングを合わせてリズムよく
餅つきは、杵で餅をつく人と、位置を整える『返し手』がペアとなって進めていくものです。
餅をつく人は杵に体重をかけながら力強く餅をつき、返し手はぬるま湯を含んだ手でもち米の端を中心に折り入れるように位置を調整します。
ときどきもち米全体をひっくり返したり手水を加えたりして、餅がまとまるようにサポートしていきましょう。木べらやしゃもじを使って餅をひっくり返してもOKです。
掛け声をしながらリズムよくついていけば楽しさも倍増するうえ、タイミングがずれてケガをするのを防げます。杵で餅をつく人と返し手は、事前に練習してタイミングを合わせましょう。
準備するまでが大変と迷っている人に
餅つきは楽しい反面、道具をそろえたり事前に手順を把握したりする必要があるため「大変そう」と思う人もいるでしょう。そこで、餅つきを手間なく簡単に済ませる方法をご紹介します。
餅つきを簡単にする3つのポイント
道具をレンタルする
「餅つき道具をそろえる費用をおさえたい」「餅つき道具の保管場所がない」という人は、餅つき道具をレンタルするのがおすすめです。
最低限の臼と杵のセットは『2~3万円』が相場で、杵の本数によって値段が前後します。事前に参加人数を確認してから頼みましょう。
臼・杵・蒸し器・敷き物の『藁座(わらざ)』・ブルーシートがついているフルセットタイプは『4万5000~5万円』が相場です。
専門のスタッフが宅配してくれるメーカーもあり、不明点もしっかり答えてくれます。イベントが中止になったときに『再レンタルの保証』が付いているものなら、もしものときも安心です。
外注する
「今まで餅つきをしたことがなくて不安」という人は『餅つきの外注サービス』がおすすめです。外注サービスでは、餅つきのプロが準備から片づけまですべて行ってくれます。
サービスによっては、音楽に合わせて餅をついたりお囃子隊とともにその場を盛り上げたりと、パフォーマンス的な演出をしてくれるため、結婚式や地元のお祭りに呼ばれることが多いようです。
新年のイベントを盛り上げるには、ぴったりのサービスといえるでしょう。料金はスタッフの出張費が地域によって『5000円~5万円』のほか、餅つき代が『5~15万円』ほどです。
料金は、餅つきの回数や作れる餅の個数などで会社によって異なります。『11月末までの予約で早期割引』などのお得なプランなども活用しながら、利用してみてはいかがでしょうか?
家庭用餅つき機で手軽に
ホームパーティーや友達との小規模な集まりで餅を食べる場合は、家庭用の『餅つき機』がおすすめです。材料を入れるだけで自動で餅ができあがるため、手軽に餅を作れます。
餅以外にもパンやうどん生地が作れる機能があるものが多く、料理好きの人にもぴったりです。価格相場は『1~3万円』ほどで、安いものだと1万円以内で購入できるでしょう。
付随機能もメーカーによって異なります。イベントの規模や家庭に合った機能の餅つき機を選びましょう。
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文/編集部
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