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「自殺した患者の存在さえ“口説き“の道具に」女性患者を信頼させて性的関係に持ち込む精神科医のあまりに卑劣な“手口”とは【鹿児島精神科の不倫・女性患者自殺トラブル】 - 文春オンライン

 鹿児島県内で2014~2016年にかけて精神科クリニックを経営していたX氏は、妻帯者でありながら患者や職員など多くの関係者女性と不倫関係になり、そのうちの1人だった職員のA子さんは精神的に追い込まれて自殺してしまった。

亡くなってしまったA子さん

 X氏がA子さんに送ったLINEの中には、卑猥な言葉や罵倒なども多いが、それらの会話や行為は、「男女の問題」にあたるということで刑事事件として罪に問うことは難しい。

 A子さんの遺族は「自殺の原因はX氏のパワハラとセクハラだった」として鹿児島地裁で民事訴訟を起こしているが、X氏は「自殺は予見できなかった」と責任を否定しており、こちらも裁判所がどのような判断をするかは不透明だ。

鹿児島地裁

「患者に手を出す精神科医は全国に存在する」

 しかしこの事件に対して「精神科医が立場を利用して女性患者と性的な関係になることには倫理上の問題がある」と語る人がいる。「ブラック精神医療」や「発達障害のウソ」(いずれも扶桑社新書)などの著書があり、X氏の“多重不倫”やA子さんの自殺を調査したジャーナリストの米田倫康氏だ。

「精神科医が立場を悪用して患者に手を出す“事件”は、全国各地で発生しています。しかし、強制わいせつ罪などの刑事事件はおろか、民事裁判になっても女性患者側が不利なのが一般的です。というのも、患者は精神科医を信頼しきった状態で性的関係を結ぶので『合意があった』と認定されることが多いからです。さらには『症状や服用している薬の影響』を理由に証言の信用性が低く評価されることも多い。こういった慣例につけこむ精神科医もいます。だからこそX氏のような問題のある精神科医の存在を世に出して、精神医療の現場で患者が性的に搾取されている実態を訴えたいんです」

 米田氏がX氏の患者との性的な関係を知ったのは、2015年5月のことだった。X氏が女性患者のC子さんと不倫関係になり、そのC子さんが2014年12月に自殺していたのだ。C子さんが自殺したのは、A子さんが自殺する約2年前のことだ。

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