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消えゆく暮らし 記録展 「道具使った人の思い 伝える」 きょうから くにたち郷土文化館で - 東京新聞

収集した道具について解説する  佐伯安子さん=東京都国立市で

収集した道具について解説する  佐伯安子さん=東京都国立市で

 大正から昭和初期の東京都国立市の暮らしぶりを後世に残そうと、市民らが地域の古い日用品や農機具の収集、聞き取り調査を行い、伝承している。半世紀に及ぶ活動の記録が、同市のくにたち郷土文化館で八日に始まる企画展「歩いて集めて見て聞いて 消えゆく暮らしを記録せよ」で紹介される。(岡本太)

 活動は一九六八年、市立第一小学校のPTAが始めた。当時は高度経済成長期の真っただ中。国立市でも古い家屋が取り壊され、使わなくなった日用品や農機具が畑で燃やされるなどしたという。「故郷のかつての暮らしを消してはだめだ」。第一小の親たちはリヤカーで集落を回り、手動式ミシンや自転車のガスライト、くわやすきなど計約五百点を収集し、学校で展示した。

 七九年に市が民具調査団を設立すると、PTAのメンバーも合流。甲州街道沿いに残る農家の納屋を調べて農機具などを収集し、お年寄りから農作業や生活ぶりを聞き取って記録した。

 調査団はその後「くにたちの暮らしを記録する会」へと名称を変え、報告書を刊行。これまでに収集した農機具や日用品などは約六千点、聞き取りは百人超に上る。収集品や記録は、くにたち郷土文化館が管理。会員らは講習会などを通じて当時の暮らしを伝えている。

 企画展では、全長三メートルの大型のくわ、ウナギを捕る仕掛け、木製のネズミ捕り機など約四十点を、聞き取ったエピソードとともに展示。収集の様子を撮影した当時の映像なども上映する。初期から活動してきた同会代表の佐伯安子さん(86)は「道具の一つ一つに、使っていた人たちの思いがある。そういった思いとともに次の世代に残していってほしい」と話している。

 企画展は十一月二十三日まで。入場無料。

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