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繁栄示す集落跡確認、香道や茶の湯の道具出土 比叡辻遺跡 - 中日新聞

中世の建造物が存在したことが分かる遺構=大津市比叡辻1で

中世の建造物が存在したことが分かる遺構=大津市比叡辻1で

  • 中世の建造物が存在したことが分かる遺構=大津市比叡辻1で
  • 出土した青磁の香炉(左上)など=大津市比叡辻1で

 天台宗総本山の比叡山延暦寺に近い大津市比叡辻一の比叡辻遺跡で、十三〜十五世紀ごろの集落跡が初めて確認され、市文化財保護課が発表した。香道や茶の湯の道具も出土。集落には経済的に豊かな層が暮らしていたことが分かり、文献の記述に残る坂本地域の繁栄を裏付けた。 (加藤涼太郎)

 課によると、建物の柱を支えた礎石が見つかり、約二メートル間隔で並んでいたことから、室町時代の建造物の特徴を示していた。人が暮らした痕跡を示す石組みの溝や、直径約二メートル、深さ約一メートルの井戸も見つかり、低湿地を改良して住んでいたとみられる。

 他に、香道で使う「青磁香炉」や茶の湯の「天目茶碗(ちゃわん)」などが出土。香道などをたしなむ、文化的水準が高い層が暮らしていたと分かった。

 比叡辻を含む坂本地域は、延暦寺や日吉大社の門前町や、琵琶湖岸の港町としてにぎわった。室町時代の史料によると、運搬業者の馬借や車借が住み、琵琶湖から揚げた荷を京都に運んだ。問屋の問丸や高利貸しの土倉もあり、平安時代後期から室町時代にかけて、湖上交通の拠点として栄えたと伝わる。

 課は宅地造成に伴い、昨年十一月から約千八百平方メートルの遺跡を、初めて発掘調査した。課の西中久典主査は「今まで何かあると言われてきた比叡辻で、はっきりしたことが分かったのがとても重要」と話す。現地説明会を四日午後一時半から開く。申し込み不要。(問)市文化財保護課=077(528)2638

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