歌舞伎では、大道具や小道具などの仕掛けを使い、観客の意表を突いたり驚かせたりする演出を「けれん」と呼ぶ。ワイヤでつるされた役者が宙を飛ぶ「宙乗り」は代表的なもの。先代の市川猿之助(現猿翁)さんが有名だ。
歴史は古く、江戸時代の元禄13(1700)年、初代市川団十郎が行ったのが最も古い記録とされる。ワイヤなどなかった当時は綱を使っていたという。
6日の本紙朝刊に載った写真は、まるで戦国武将が宙乗りしている歌舞伎の演目のよう。つるされているのは、仙台城跡の伊達政宗騎馬像。宮城県内で震度6強を観測した3月の地震で傾き、修理のためにクレーンで搬出された。
もっとも、騎馬像の搬出は安全第一なため、歌舞伎のようにけれん味たっぷりに宙を舞うわけにはいかない。ニュース映像などからは、細心の注意を払った作業であることががうかがえた。
騎馬像は東京の専門業者で修理され、私たちの前に姿を現すのは来年4月の見通し。搬入作業では、再び政宗公の「宙乗り」を見ることができそうだ。
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