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W杯MVP右腕は大学野球で無双。プロ入り選手多数の昨年U-18W杯で優勝した台湾代表の現在地 - 高校野球ドットコム

W杯MVP右腕は大学野球で無双。プロ入り選手多数の昨年U-18W杯で優勝した台湾代表の現在地

2020.04.12


岳政華と王彦程

 台湾プロ野球が本日開幕するが、前回は開幕一軍入りを果たした高卒の若手選手を紹介した。

 今回も台湾の野球事情に詳しい駒田英さんに電話取材を行い、昨年のワールドカップ優勝メンバーのその後について紹介する。

まず優勝メンバーでドラフト指名を受け、プロ入りしたのは、
岳政華(中信兄弟1位)
羅暐捷(19年ドラフト統一7-11ライオンズ2位)
林瑞鈞(ドラフト中信兄弟7位)

 まず、岳政華は走攻守三拍子揃った大型外野手として注目され、顔立ちもよく、日本でいえば、藤原 恭大大阪桐蔭-千葉ロッテ)。ワールドカップでは打撃不振に苦しみ、下位に座ったが、潜在能力は非常に高い物は持っている。兄・岳東華とチームメイトになり、兄は開幕戦で9番ショートでスタメン出場をしている。

 羅暐捷は捕手だが、ワールドカップではレフトへ。慣れないポジションの中でも軽快な守備を見せ、決勝戦では適時打を放ち、チーム最高打率を残し、優勝に貢献した。今季2軍でも9試合で既に2HRと長打力を発揮。打撃型捕手で、守備面の強化が必須だが、今季中の1軍昇格も期待されている。

 好打者タイプの林瑞鈞も二軍スタートが決まっている。

 台湾ではないが、2018年、2019年ともに代表となり、日本キラーとして注目された左腕・王彦程(穀保家商)は、昨年、東北楽天の育成契約を結び、練習に参加。まずはNPBで支配下登録を目指す。

 決勝戦のアメリカ戦に先発して好投を見せ、MVPを獲得した余謙は同大会代表の3年生の中では、唯一、大学(開南大学)進学。阪神タイガースでもプレーした郭李建夫監督から投球フォームの指導を受け、より下半身をうまく使えるようになり、自慢の速球は最速150キロまでスピードアップ。

 1年生ながら開南大学のエースの座を任され、3月末の大学野球の全国大会では、予選リーグで9回3失点13奪三振で準決勝進出に貢献、準決勝でも、3連覇を目指す強豪・文化大学戦に登板、バランスのいいフォームから、終盤まで伸びのあるボールを投げ続け、9回168球、16奪三振の好投をみせ、決勝に導き、チームは優勝を決めた。郭李監督からの評価も高く、本人は海外(アメリカないし日本)でのプレーを希望。郭李監督は自身の経験から、日本でのプレーを期待しているようだ。

 余は東京ヤクルトでセットアッパー、クローザーで活躍する石山 泰稚(金足農)を彷彿とさせる投手で、145キロ前後の速球の伸び、変化球の切れ味は素晴らしいものがある。

 いずれはトップチームとして活躍する可能性を持った右腕だろう。

 昨年優勝したチームは、投手は個性のある速球投手が多く、野手もスピード感溢れる野手が多かった。いずれはトップチームで、昨年の高校日本代表など若手選手と再戦することを期待したい。

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