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「大学はコスパが悪い、行く価値なし」という主張がなぜ間違いなのか(LIMO) - Yahoo!ニュース

「高学歴はコスパが悪い!」
「そもそも大学に行くこと自体がムダ」

SNSでは一部のインフルエンサーからこうした意見が取り上げられているのを見ることがあります。筆者の見解を先に言えば「確かに大学進学は高額で、人によってはコストを回収できないかもしれない。だが、価格以上の価値を出すかどうかはその人次第だ」というものです。

スッキリしない言い方に感じたかもしれませんが、下記の通り解説をします。

大学はシグナル獲得のために進学

大学は会社員として働く、労働市場においての「シグナル」として依然として機能しています。

新たな人材を採用する人事担当者は、膨大に寄せられる応募者の中から自社に必要な人材の選別が必要です。しかし、その全員と面談をしてじっくり話を聞くことは人材採用のコスト面から見合いません。

よって、書類選考というフィルタリングをする必要があります。職務経験のない新卒の場合は、選別する上での指標として「学歴」を使うことになるのです。

採用者が戦力になるかは、実際に働いてみないとわかりません。しかし、学歴である程度選別してその中から面接をしていくというスタイルは、企業側の合理性を考えると理にかなった話です。

大卒の学歴がなければ、面接という書類選考の次のステージに上ることができませんから、理不尽ながらも、企業側の事情を考えると仕方がない話なのです。

日本では大学進学率は5割を超え、米国では7割を超えています。大卒の学歴はひとえに労働市場での「シグナル」を獲得するために意義があるといえます。

大学で学ぶべきは「ストック」としての知識

生き方が多様になった今、全員が会社員としてキャリアアップを目指すわけではありません。筆者のように会社員から経営者に転身する人もいますし、会社員を経験せず、いきなりフリーランスとして働く人もかつてと比べて増えてきました。

経営者、フリーランスで働いていく上では「学歴」はほとんどの場合役に立ちません。筆者はフルーツギフトビジネス、英語教育ビジネス、ジャーナリスト業や講演活動をしています。が、こうしたビジネスをする上で「学歴」が役に立ったことは一度もありません。ビジネスを利用頂く顧客は、筆者の提供する「商品・サービス」に対価を支払っているのであり、学歴に対してではないのです。

しかし、それでも大学で体系的に知識を獲得し、頭の使い方を学ぶことには大きな意義があります。たとえば金融や経済の分野で、先端の知識や情報をたくさん持っている人は数多く存在します。でも、そうした個別の情報を「これは正しいのか?」「獲得した情報をどう評価し、第3者に役に立つ形で提供するのか?」ということを考えるためには、情報や知識を判断するための「ストックとしての知識」「情報や知識を加工するための頭の使い方」が必須になります。

日々、新たに生まれる情報を知る行為は「フロー」としての知識です。一方、それを評価したり、解釈する力は「ストック」です。

大学ではストックとしての体系的な知識を学問として学び、そして頭の使い方を獲得する機関だと考えます。そういうストックとしての知識や、頭の使い方を訓練する場として、大学には価値があるといえるのです。

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February 21, 2020 at 05:45PM
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