3月に入ると、全国各地の渓流が次々に解禁となっていく。今年から渓流餌釣りを始めたい、でもどんな道具を揃えればいいかわからない……そんなあなたのために、今回は、渓流釣りで必要になる道具/装備品を詳しく紹介しよう。海釣りの道具を一部流用することが出来るので、これから気軽に渓流釣りを始めたい方必見だ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
ベスト
著者が渓流釣りに欠かせない装備と考えているのがフィッシングベスト。なぜ渓流釣りにベストが必要なのかを見ていこう。
動き回る釣り
渓流釣りは竿を握ったまま、川をどんどん遡行する(上流に向かって釣り歩く)ことになる。そのため、自身を「歩くタックルボックス化」するのが最も効率が良い。バックに入れるよりも、ベストのポケットに釣具を収納するのが動きやすくおススメだ。
フロートタイプがオススメ
著者は長年、海でも使用できるタイプのフローティングベストを愛用している。水深が浅い川での釣りだからと、侮ってはいけない。水深が2m以上ある場所もあるので、安全確保のために是非着用しておきたい。いざ転倒した時に水に浮くので、多少は安心できる。
ウェーダー
渓流釣りは川の中に入るため、ウェーダーが必要になる。ここではウェーダーについて紹介しよう。動きやすさの観点からも少々良いものを用意したいので、有名メーカー品で1万円~2万円程度の物を購入したいところだ。
基本はチェストハイタイプ
ウェーダーにはブーツ状のヒップタイプ、ズボンのようなウェストハイタイプ、胸のあたりまであるチェストハイタイプの3種類があるのだが、著者はチェストハイタイプを推したい。渓流は流れが強い場所を歩くので、水深+20cmくらい上までは濡れると考えた方がいい。これは膝丈程度の水深で、太ももまでは余裕でズブ濡れになることを意味する。このことを考慮すると、チェストハイタイプ一択と言えるだろう。
靴底素材に注意
渓流は苔の生えた岩の上を歩いたり、川の中をひたすら歩く釣りだ。岩の上で滑りにくいフェルトか、一部スパイクが付いたピンフェルトタイプを選択するようにしよう。海の砂浜でのウェーディングゲームに用いられるラジアルタイプは滑りやすいために不向きだ。
サイズのあったものを
水の中を歩くため、サイズが合っていないと大変動きづらくなる。安全のためにも、自身にピッタリのサイズを着用したいところだ。3月~4月の渓流は大変寒いので、厚着の上に着用することも考慮しておこう。
素材
とりあえず春先のために1着、と考えるなら、分厚めの素材がおススメだ。初春~初夏までであれば、この方が冷たい水の中で活動しやすい。その反面夏は恐ろしい暑さになるので、1着でオールシーズンは少々辛いものがある。
この辺りは予算と相談して、夏場以降は涼しい素材のウェーダーや、ウェットタイプのタイツを用意しよう。ちなみに著者は暑さに大変強いため、オールシーズンウェーダー1着で勝負しているので、いけないこともない。暑さに強い人は検討の余地あり(?)だ。
渓流ならではの装備
着用する物の他に、持参しておきたい「渓流釣りならではの道具」たちを紹介しよう。
ランディングネット
渓流釣りでは細糸を使用する関係上、抜き上げるとラインブレイクの危険が付きまとうので、柄の短いタモであるランディングネットを使用する。これは腰回りにベルトを装着しておき、そこから抜き差しするのが良い。また、ちょっとした事ですぐに落下して紛失しやすいため、エンドロープを装備しておくと安心だ。
エサ箱
渓流釣りでは川虫やブドウムシといった生き餌をよく使用するのだが、首から下げられるタイプの餌箱を用意し、ここにエサを入れておくと大変便利だ。歩き回る渓流釣りならではの道具と言えるだろう。
ビク
ビクとは、持ち運びに特化した小型収納のこと。近年は小型クーラーと呼べるような逸品が市販されている。著者の様にキャッチ&イート派なら、持ち帰るためのビクを釣り場に持参しよう。
ちなみに著者は車に戻って移動する際、釣果をビクからクーラーボックスへ移動させる形式をとっている。これは魚の鮮度を保つだけでなく、常に身軽に行動するためだ。
クマよけグッズ
渓流釣りは大自然の中で楽しむため、必然的に野生生物の住処へ入ることになる。クマよけグッズは出来るだけ用意したいところだ。著者はクマ鈴を必ず持参し、入渓時はホイッスルを鳴らすようにしている。
あると役に立つ装備品
必須ではないが、あると役に立つ装備品を紹介しよう。これらは手持ちにある海釣り用の物を流用すれば、予算を抑える事もできるはずだ。
偏光サングラス
これは予算が許すならぜひ持っておきたい。著者は始めたての頃、普通のサングラスで釣っていたのだが、偏光サングラスを導入してからは釣果が劇的にアップした。詳しくは著者の過去記事をご覧いただきたい。
帽子
釣り用の帽子を持っている方は多いのではないだろうか。渓流釣りでは、日差し除け・熱中症対策だけでなく、頭上にある木や落下物・虫やヒルから頭を守ってくれるという、保護の役割も果たしてくれる。海釣り用の物でもなんら問題はない。
フィッシンググローブ
渓流釣りは先述した通り、川を遡行する釣り。その最中に転倒防止のため、木や岩を掴んだりする機会が多い。手の保護のためにも、グローブは必ず着用したいところだ。こちらも海釣り用を流用できる。
フィッシングベルト
渓流タモをセットしたり、ドリンクをぶら下げるのに使用するのがフィッシングベルト。衣類用の普通のベルトを代用したり、ウェーダーやベストのウェスト幅調整紐にタモをセットしてもいいのだが、やはりあると圧倒的に快適になる。アジングやメバリング用の物を流用することもできる。
渓流釣りの敷居は高くない
「敷居が高い、釣具が高い」と感じる釣りのほとんどは、「名手のようにカッコよく釣りたい」というイメージがそうさせている、と著者は考えている。実際著者が渓流釣りを始めた時は、5000円のウェーダーを着て、海釣り用の道具を多数流用したため、渓流釣りのために新規購入したのは竿、ネット、餌箱くらい。大してお金がかからなかったことをよく覚えている。
これだけでも十分に楽しめたから、今も続けているのだ。確かに良い道具の方が釣れる確率もアップしていくが、慣れてきてから、一つずつアップグレードしても遅くはない。そうすれば、実に手軽に、素敵な釣りを堪能してもらえるはずだ。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>
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