みなさん、大工道具館って何種類あるかご存知ですか?ノコギリやカンナ、カナヅチ、ノミ…ぱっと思いつくだけでも数種類ですが、職人さんは数えきれないほどたくさんの道具を使いこなしていたのだとか!そんな奥深い大工道具の世界を覗き見ることのできる施設に行ってみました。
場所はJR・地下鉄新神戸駅より歩いて5分。閑静な住宅街の一角に現れる『竹中大工道具館』は、日本で唯一の大工道具を専門に展示する博物館です。
同施設では、古い時代の優れた道具の保存だけでなく、その技術や歴史を紹介。「建築関係の人は一度は行った方がいい!」という口コミもあるほどの専門的な内容に、建築や木工に関わる人々や学生さんが多く訪れます。一方で展示の分かりやすさや施設の美しさ、開催されるワークショップのキャッチーさから、一般の方はもちろん、海外から足を運ぶ人も多いのだとか。
竹中工務店の設計部がデザインした建物は建築技術をテーマとした博物館であることから、外観や内観にも力を入れているそう。足を踏み入れた瞬間に都会の真ん中だということを忘れるほどの静けさに包まれています。
館内のロビーは広々とした空間が広がっており、大開口の窓からは美しい庭園を眺めることができます。企画展やイベントもここで開催されるのだとか。
以前は県庁前にあった「竹中大工道具館」は9年前、元々竹中工務店の社屋と社長の家屋があったこの土地へ移設。
当時からこの場所にあるお茶室などはそのままに、美しい庭園が広がります。まるで都会のオアシスのような空間に息を飲みます。
館内は7つのコーナーに分かれた展示から、大工道具をめぐる世界の広がりと豊かさを感じられる空間。大工道具や古文書など所蔵する資料は約3万点超!その中から厳選された1,000点を展示するエリアは地下にあるものの、吹き抜けからの光が心地よく、広々と感じられます。
階段を降りると、そこには実物大の「唐招提寺金堂組物」を模した展示がお出迎え。その大きさはなんと7メートル!唐招提寺金堂の屋根を支える組物を、普段見ることのできない角度からじっくりと観察することができる貴重な展示です。
歴史の旅へ
「歴史の旅へ」では大工道具の変遷を紹介するコーナーが広がり、古くは縄文時代の大工道具のレプリカなどが並びます。
グラフィックや動画でわかりやすく解説されており、歴史の授業で何気なく習った建築物についても、詳しく知るとこんなにも技巧的でロマンに溢れていることに感動!
棟梁に学ぶ
宮大工の職人さんたちの道具や貴重な肉声、技術を紹介するコーナーが登場。
今もなお現存し多くの人に愛される寺社仏閣がどのような人がどのように改修を行ってきたかを知ることができますよ。
道具と手仕事
近代以降の大工道具の変遷や資料を紹介するコーナーでは、昭和初期に調査された、大工さんが標準的に所有するという道具一式がズラリ!
こんなにも多くの大工道具を使いこなして建物を建てていたことに驚き!
木造建築の要ともいえる「木組の技」にスポットを当てた体験スポットも。パズルのように手に取って触ることができてとっても楽しい!ミリ単位の技術を肌で感じる貴重な体験ができますよ。
世界を巡る
中国やヨーロッパなど、日本とは様相の異なる世界の大工道具を展示。その国の木材や建築物に合った大工道具が発展するため、ノコギリ一つにおいても形や使い方が異なるのだとか。これまで見た大工道具との違いを楽しんで。
和の伝統美
地下2階では大徳寺玉林院にある数寄屋造りの茶室「蓑庵」の柱や梁から竹組みまでの骨格をむき出しにしたスケルトン模型に実際に入ることができます。骨格だけでも美しい、こだわり抜かれた細部をじっくりと鑑賞できます!
他にも、普段の生活ではあまりお目にかかることの無い精緻な組子細工や自然の素材でつくり上げた土壁などを展示。日本の建築における伝統的な技と美しさを堪能できますよ。
名工の輝き
職人の命でもある大工道具を作る名工の作品の数々を展示。職人の道具に懸ける思いを垣間見ることができます。
名工の作業場を再現した空間もありましたよ。
展示物下の取っ手を引くと、さらに展示が出てくることが衝撃的でした!ぜひすべての引き出しを開けてみてくださいね。
木を生かす
木材の性質を最大限に引き出すべく、匠たちは木のクセを読み、適材適所に使う様子を紹介。映像資料では具体的な使い方も紹介されています。
かんな屑に触れたり香りを堪能したり…五感でも楽しめました。
本やモニターが並ぶライブラリでは貴重な資料をアーカイブ。その資料の豊富さに時間を忘れて見入る人たちが多いのだとか。
お子様連れにも人気の木工室では、これまでに紹介された大工道具に気軽にチャレンジできるものや、子どもが木工に触れ合えるワークショップ、大人を対象とした体験メニューを開催。ネット予約制なので、気になる人はぜひチェックしてみて!
ボリュームたっぷりの展示をより楽しむには、自身のスマートフォンとイヤホンを使用できる音声ガイドがおすすめ!また、土日祝は1日2回、竹中大工道具館を愛するボランティアの方による無料のギャラリートークも開催されているので、ぜひ参加してみてくださいね。
たっぷりと展示を楽しんだあとは最後はミュージアムショップでお買い物!
木工職人が手作りしたという大工道具をモチーフとしたかわいらしいキーホルダーやおしゃれな手ぬぐいはお土産としても人気の品。他にもここでしか手に入らない商品が盛りだくさん!
筆者はかんなをモチーフにしたえんぴつ削りをゲットしました!実際使用してみるとかんなくずのように削れます♪お子さんと一緒にお出かけした記念にもぴったりですね。
建築に興味はあっても全くの初心者の筆者。大工道具のみを展示している博物館っていったいどんなところだろう…と思っていましたが、予想をはるか上回るおもしろさと奥深さ、大工道具を巡る歴史とロマンの虜に!近いうちに必ず再訪しようと決意しました。
今回ご紹介した「竹中大工道具館」では、常設展示に加え企画展やイベント等も開催。講演会やセミナーなどの講義型イベント、大工による実演も行われているので、興味のある方は公式サイトよりスケジュールをチェックして訪問してみて。
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