アナログで描く場合のツールや描き方も紹介します。アナログで描くことによってデジタルでは思いつかなかった新しい表現が生まれるかもしれません。ぜひチャレンジしてみましょう。
アナログ道具で描き文字を描く場合のツール
【1】マーカー(水性)
黒い太文字や太い線の文字を描く際に使います。不透明の水性塗料のマーカーは、塗りがマット調になります。太さや色にバリエーションがあるので、自分にぴったりのものを見つけることができるでしょう。白いマーカーは白文字や絵の修正の際にも活躍します。
【2】ミリペン
メーカー各社から出ている0.05mm〜1.0mmのペン。0.3mm、0.5mm、0.8mmあたりがあると便利。
【3】筆・筆ペン
アナログでの描き文字は、ホワイトで修正や描き足しをするので、水性の白絵の具や白マーカーに色が溶け出さないものを選びます。筆ペンも染料インクではなく顔料インクのものを使用します。書道用の筆に墨汁をつけて描いてもよいでしょう。
【4】使い古した筆・筆ペン
かすれた文字を描く場合は、少しボサボサになった筆を使用することでいいかすれを表現できます。ボサボサの筆がない場合は、毛先を少し切って使いましょう。
【5】面相筆・細筆
修正や細かい描き込みに使います。模型用の筆が丈夫で扱いやすいのでオススメです。100 円ショップなどで販売している安価な筆でも問題ありません。思いっきり使えるものを選びましょう。
【6】ホワイト
白の水性顔料インクのことで、修正や描き足しに使います。つけペンにつけて描ける漫画用ホワイトが便利。またメーカー各社から筆ペンタイプの白ペンも販売されています。
アナログ道具で描く場合の描き文字の描き方
【1】黒太文字
ペンでアウトラインを描いて、内側を筆ペンで塗りつぶしていきます。
鉛筆などで下描きをする。
ミリペンなどで輪郭線を描いたのち、消しゴムで鉛筆の線を消す。
筆などで文字内を塗りつぶして完成。
【2】黒フチ文字
デジタルとは描く順番が逆になります。デジタルでは境界効果でフチを自動でつけられますが、アナログの場合はフチを自分で描きます。
鉛筆などで下描きをする。
筆ペンなどで輪郭線を描いたのち、消しゴムで鉛筆の線を消して完成。
筆ペンで輪郭線を描いているときに誤ってはみ出してしまった場合は、ホワイトを使って形を整える。
【3】かすれた筆文字
力強く見えるよう、あとからかすれを描き足していきます。筆での一発描きにこだわらなくてOK!
鉛筆などで下描きをする。
フェルトペンでベースとなる文字を描いた後、消しゴムで鉛筆の線を消す。
筆ペンで筆文字のような装飾やかすれを加える。
ホワイトでかすれた部分を追加し、形を整える。
必要に応じてスパッタリングを加えることで、より迫力のある描き文字となる。完成!
・描き文字を上手にかきたい!
・描き文字のレパートリーを増やしたい!
・シチュエーション別のかき分け方法を知りたい
と感じている方には大変おすすめな本です。
文字の大きさや、字体、レイアウトなど作風やシチュエーションに合わせてえがく描き文字は、イラストではなく文字なので単純そうにみえますが、奥が深いため苦手意識を持つ方も多くいます。本書では、基本的な描き文字のかき方が分からない初心者の方、ある程度はかけるけど場面ごとのかき分けが得意ではない方、効果音のレパートリーが少なくて悩んでいる方、文字の配置やレイアウトが苦手な方などに向け、描き文字に対するさまざまなお悩みポイントをおさえた一冊です。
描き文字は、キャラクターの心情や効果音などストーリーをより効果的に演出するために必要ですが、SNSなどでは描くのが難しいと言われています。そんな描き文字を東京デザイン専門学校さん協力のもと、本当に使える描き文字だけをわかりやすく丁寧に解説します!
擬音語、擬態語の多い食事シーンはひと工夫でよりリアル感を演出
食事についてはさまざまな擬音語、擬態語があります。メインビジュアルは「がつがつ」「パクパク」と、ものすごい勢いで食べている女の子の絵。この絵は一見「がつがつ」だけで成立しそうですが、「パクパク」を入れることにより、ものすごい勢いで口に食べ物を放っていることが伝わる絵になっています。また描き文字が前面に出ており人物の顔周りに置かれていますが、これにより動きの激しさが表現されています。食事はおもに口で行う動作なので、描き文字は息づかい同様、顔や口の周りに描くようにしましょう。
下の図は食べる状況に合わせて黒文字、白文字を描き分けています。「ゴクン」は液体を飲み込む音ですが、食べたい気持ちを表現する際にも使えます。「ゴ」の濁点や「ン」の一部が円形になっており、これにより読者にポジティブな印象を与えています。「チュルルルー」「ズズー」などは麺類を食べている音。「パクパク」のようにただ口に入れるのとは違い、時間的な幅のある動作なので、音引きを長めに伸ばすことでそれを表現しています。
描き文字をどの部分に描くかで読者が状況を理解できる
静かな状況のとき、実際は音がないわけですが、マンガではそれも描き文字で表現します。無音の状態を表す表現法のなかでも有名なのが、メインビジュアルの「シーン」ではないでしょうか。この「シーン」は静かな状況ですが、かなり大きく描かれています。それはこの絵がギャグシーンであり、そのば全体が静まりかえっていることを明確に示したいから。またこの描き文字を画面上部に描くことで、この教室に教師以外誰もいないことを読者が瞬時に理解できるようになっています。
下の図には、静寂のなかで聞こえる小さな音も掲載。小さな音を文字でも小さく描くことで、その音がわずかに聞こえるくらい静かであることを読者に伝えることができます。時計の音「カチコチカチコチ」、足音「カツーン コツーン」などが代表的な例ですが、ほかにもいろいろあると思います。また緊張して言葉が出ない状態の「カチン コチン」などは、キャラクターの緊張度に合わせた大きさで描くようにしましょう。
★文字だけで印象は操作できる!?
★デジタルツールとアナログ道具で描く描き文字
★漫画でよく見る「ときめく」の描き文字の種類とは
★音を奏でる時に使う描き文字とは?
などなど気になるタイトルが目白押し!
本書は文字例の多さはもちろんのこと、描き文字を漫画に当て込んだ例も豊富に取り入れて解説しています。実際どのくらい描き文字は漫画の表現力を高めるのか、ストーリーの印象が変化するのかを確認しながら、読者の皆さまが自分の作品にも取り入れていただけると嬉しく思います。
【書誌情報】
『漫画のプロが全力で教える「描き文字」の基本』
著者:東京デザイン専門学校
漫画や同人誌などをかく上で、キャラクターの心情や効果音などストーリーをより効果的に演出するためには、必要不可欠な「描き文字」。文字の大きさ、字体、レイアウトなど作風やシチュエーションに合わせてえがく描き文字は、文字なのでイラストより単純そうにみえて奥が深いゆえ、苦手意識を持つ人もいます。基本的な描き文字のかき方からわからない人、ある程度はかけるけど場面ごとのかき分けが得意ではない人、効果音のレパートリーが少なくて悩んでいる人、文字の配置やレイアウトが苦手な人など、本書はそのような描き文字に対するさまざまなお悩みポイントをおさえた一冊です。
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