ニセ電話詐欺で使われると知りながら固定電話の番号を詐欺グループに提供したとして、警視庁と岐阜県警は20日、電子計算機使用詐欺ほう助の疑いで、電話番号供給業者「アシストライズ」(東京都千代田区)を実質的に経営する大堤康至容疑者(51)=千葉県習志野市鷺沼=と同社代表の佐々木式部容疑者(55)=荒川区南千住=ら男女9人を逮捕したと発表した。認否は明らかにしてない。
捜査関係者によると、アシストライズは詐欺グループに番号を供給する「道具屋」としては国内最大規模で、同社の番号を悪用したニセ電話詐欺の被害総額は、沖縄県を除く46都道府県で数十億円に上るとみられる。
岐阜県警などによると、同社はNTT東日本から「03」で始まる固定電話の番号を2000回線以上購入し、ダミー会社を通じて詐欺グループに転売していた。
アシストライズは携帯電話からかけても相手に「03」と通知される転送サービスシステムを導入しており、詐欺グループは役所や警察が固定電話からかけているように装って還付金詐欺や架空料金請求詐欺に悪用していたという。
逮捕容疑では昨年10~11月、岐阜県内の60代女性から還付金名目で約50万円をだまし取った詐欺グループに、詐欺で使われると知りながら番号を供給していたとされる。
◆突如台頭、道具屋のトップに 警察「いたちごっこ続く」
ニセ電話詐欺にアシストライズの電話番号が使われたことを警視庁が初めて確認したのは昨年秋だ。わずか1年で道具屋のトップに躍り出たアシストライズ。警視庁は、今後同社の番号が詐欺に使われるケースはないとみるが、「すぐに新たな業者が台頭するだろう」と警戒している。
捜査関係者によると、東京都内で詐欺の被害に遭ったお年寄りらにかかってきた電話の供給元は、昨年上半期までは4つの業者が寡占していた。しかし捜査当局が次々と摘発。突如台頭したのがアシストライズで、詐欺に使われたことが確認できた番号に占めた割合は、同年下半期が44%、今年上半期は68%に上った。
躍進の背景には、NTT東日本などの大手電話会社は原則、電話回線の提供を拒めないという電気通信事業法の規定がある。誰もが110番、119番できる環境の確保などが目的だ。
都内では昨年9月以降、アシストライズの番号を使った約4200件の詐欺が確認されており、被害総額は約10億円に上る。
ある捜査関係者は「アシストライズの摘発で被害は一時的には減ると思う。しかし、既に数千回線を購入している新たな業者もいる。いたちごっこは続くだろう」と淡々と話した。(井上真典)
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