今年の全日本大学駅伝で、関東の有力大学を相手に2区区間賞を獲得したのが皇學館大の川瀬翔矢(4年)。地元・三重で見せた走りに大きな注目が集まった。高校時代は“無名”だった男は、「世界」を目指すランナーへと成長。この1年間の成長の原動力となったのは、1年前の「負け」だった。 【写真】学生たちが激走を見せた全日本大学駅伝
東海学連所属選手で30年ぶりの区間賞
11月1日に行われた学生駅伝で全国の頂点を決める戦い、全日本大学駅伝の2区で皇學館大の川瀬翔矢(4年)が快走した。 「川瀬が3位集団につきました!」「なんと21位から17人抜き!」 アナウンサーの声が思わず高ぶってしまうほど、地元・三重での快走は観る者を魅了した。 目標は「区間記録樹立と先頭を走ること」。川瀬は先頭から39秒差の21位でタスキを受けた。わずか2kmで4人を抜くと、6km過ぎには青学大と東洋大に並び、8位集団を形成。その後、3位の早大と1秒差の4位まで追い上げた。区間2位の菊地駿弥(城西大4年)に10秒以上の差をつけ、11.1kmを31分24秒で走破。東海地区の学生としては1990年大会1区の許績勝(名商大/台湾、後にアトランタ五輪出場)以来、30年ぶりの区間賞を獲得した。 「区間賞を取ることができて、ひと安心しました。区間記録(31分17秒)までもう一歩だったので、悔しい部分もあります。でも、基本的には力を発揮でき、結果を出せたことには満足しています」 川瀬はこの1年間、速さに加えて“強さ”を求めてきた。その原動力となったのが昨年の全日本での経験。大会前の5000mで2年ぶりに自己ベストとなる13分49秒25をマークし、「やってきたことが成果となって、ようやく前に進めた」と勢いに乗って伊勢路に乗り込んだ。 先頭とは約30秒差。1学年上の東京国際大・伊藤達彦(現・Honda)と、ほぼ同時に飛び出した。最初は食らいついたものの、最終的には区間賞(31分17秒)を獲得した伊藤とは1分近くの差がつく32分04秒の区間11位に終わった。 意気揚々と関東勢に挑んだ結果、跳ね返されたわけだが、川瀬の胸にはこんな感情が浮かんだという。 「おもしろい」 先頭が見えながらも、後半失速してしまった部分に実力不足を痛感しながらも、「5000mで13分49秒のタイムを持っていても通用しなくて、それで陸上がおもしろくなったんです」と言う。「2区か3区で先頭まで持っていく走り」を目標に掲げ、トラックのタイムだけではない“強さ”を求めてきたこの1年。その成果を最後の伊勢路でしっかりと体現した。
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November 21, 2020 at 06:00AM
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【大学駅伝】クローズアップ/全日本で快走 皇學館大・川瀬 成長の原動力は “負けて”感じた「おもしろさ」(月刊陸上競技) - Yahoo!ニュース
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