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大学、授業の形模索 オンライン→感染対策、対面再開 - 岐阜新聞

 「再びクラスター(感染者集団)を出すわけにはいかない。だからといって、いつまでもオンライン授業を続けるわけにもいかない」。中部学院大(岐阜県関市桐ケ丘)の丹羽章事務局長は、複雑な心境を明かす。前期課程は実技など一部を除いてオンライン授業を行ってきたが、9月28日に始まった後期は隔週で対面授業を行う。文部科学省が同15日に各大学へ出した通知にも「対面による授業の実施の検討」を求める文言が付記された。県内の各大学は対面授業を再開しつつあるが、どう感染対策を両立させるのか、模索は続いている。

 新型コロナの感染拡大で学校の休校が続いたが、県内の小中学校や高校は6月に通常授業を再開。しかし、大学には県外から通う教職員や学生も多いため、オンライン授業が長く続いていた。

 中部学院大は7月下旬、全学生を対象にアンケートを実施。対面とオンラインのどちらがいいか尋ねると、オンラインは2割にとどまり、およそ半数が対面と回答した。さらに保護者からも対面授業の再開へ強い要望が出された。

 野球部でクラスターが発生した経験を踏まえ、8月以降、感染症対策の徹底について協議を重ねてきた。対面授業の再開に当たっては、教室の消毒や換気はもちろん、250人定員の教室に入る学生を100人に減らし、学内に滞在できる学生を従来の半数に抑えるなどの対策を決めた。

 後期の初日、キャンパスには学生たちの姿が戻った。理学療法学科3年生(21)は「オンライン授業は、分からなくても先に進んでしまって、友達にも聞けなかった」と振り返り、「対面授業は緊張感があって集中できる」と再開を歓迎した。

 岐阜協立大(大垣市北方町)も9月21日に始まった後期から、全面的に対面授業に切り替えた。背景には学生たちの切実な声があり、特に1年生は「友達をつくりたいし、サークル活動もしたい」と訴えた。広報課は「友人や先生との人間関係の中で得られる学びの機会を確保したい」と話す。

 一方、オンライン授業の利点を指摘する声も少なくない。中部学院大のアンケートでは「メールなどで先生と個別のやりとりが細かくでき、通常授業よりも理解が深まった」との意見もあった。感染の「第3波」も懸念される中、オンライン授業を今後どの程度継続し、いかに有効活用していくのか、各大学が知恵を絞っている。

 中部学院大は来年度、新入生にパソコンを支給する検討を始めた。江馬諭副学長は「コロナ禍の現状をただ受け入れるのではなく、改めて大学とは何か、(授業の方法など)教育の形はどうあるべきかを再定義することが各大学に求められている」と指摘する。

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 新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちの日常は大きく姿を変えた。収束の兆しが見えない中、いかにこのウイルスと共存していくか、向き合い方が問われている。県内での新たな動きを追う。


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October 01, 2020 at 06:05AM
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