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大学ミスコン「廃止」か「内面重視」か、ミスコン「衰退の歴史」から考える(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

 「女子アナ」やタレントの登竜門とされてきた大学ミスコン(ミスキャンパス)が、ルッキズム(外見至上主義)やセクシズム(性差別)の観点から批判にさらされ、次々と廃止されている。 【写真】「美ヒップ見えすぎ衣装」で話題になった美女集団とは…?  こうした状況を踏まえ、上智大学のソフィア祭実行委員会は、従来のコンテストにかわる「ソフィアンズコンテスト2020」を立ち上げた。  新たなコンテストは外見重視ではなく、「自己PR部門」「スピーチ部門」「SDGs部門」で「最も多角的に活躍した人」がグランプリに選ばれるという。  果たしてこの方向性は正しいのだろうか。ミスコンテストの盛衰をふり返りながら考えてみたい。

かつて500近い自治体がミスコン開催

 戦後、全国各地の自治体や商工会議所が、地域おこしの一環としてこぞって開催したミスコンテスト(以下、ミスコン)は、批判にさらされ徐々に衰退し、今や風前の灯である。  ミスコンに対する批判の内容はわかりやすい。  出場者を「ミス」に限り「年齢25歳まで」などと若い女性に限定することや、水着姿の女性たちを、ほとんど男性ばかりの審査員たちが眺め、選別することが、女性差別と見なされたのである。  官庁や地方自治体が主催し、公費を投入する点も問題視された。また、外見を重視する価値観(≒ルッキズム)に対する批判もある。  さらに、応募資格には明記されていなくても、人種や国籍、障害の有無などによって多くの人を排除しており、多様性を重視するという社会の方向性に逆行するという指摘もある。  ミスコン全盛期の1970年代に、ミスコン反対運動の狼煙を上げた山口彩子さん(当時、堺市女性団体協議会委員長)は、それ以前、堺市で開催されていたミスコンの審査員を務めていた。  その際、水着審査を待つ出場者たちの寒々しい姿や、他の男性審査員の審査中のコメントや会話に、強い違和感や不快感を覚えたという。山口さんは、ミスコンが女性差別であることを学術的に研究し、それが運動として発展していった(*1)。  1980年代の終わりに、堺市女性団体協議会が全国3382自治体に向けて行ったミスコン実態調査によれば、ミスコンを実施していた482自治体のうち、8割以上が出場者に年齢制限を設けており、「18歳から25歳」という制限が最も多かった。そして審査員の7割が男性だった(*2)。  水着審査をなくすなどして批判をかわそうとした主催者もあったが、公費の投入を批判された自治体主催のミスコンは次々と撤退していった。  「美」を資本として活躍できる場(ウェブ上もふくめて)が広がった現在、ミスに選ばれることのメリットも、かつてほど大きくない。  ミスコンのみならず、地域の特産物などをPRするための「キャンペーンガール」や「〇〇娘」の募集をかけても、なかなか応募者が集まらないという。  大学ミスコンが生き残ってきたのは、「女子アナ」やタレントの登竜門として注目されたり、協賛企業による高額賞品が話題になったりといった特殊性からであろう。

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August 13, 2020 at 08:03AM
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