
茨城県かすみがうら市の小学校で、年貢を取りたてるために田畑の面積を調べる「検地」を、当時の道具を再現して実際に測るという全国でも珍しい授業が行われました。
この授業は、かすみがうら市の下稲吉小学校の校庭で、茨城大学教育学部の千葉真由美教授の研究室が協力して行われました。
検地は、戦国時代から江戸時代にかけて領主が農民から年貢を取りたてるために、田畑の面積や収穫高を調べたもので、豊臣秀吉が全国に命じた「太閤検地」などが知られています。
授業は、千葉教授の研究室が歴史の資料を読み込んで独自に製作した測量の道具を使って行われ、6年生たちは大学生の助けを借りながら、メジャーの役割の「水縄」や直角をはかる「十字木」などを使って田畑に見立てた長方形や平行四辺形の面積を測っていました。
そして、測って算出した面積と、実際の面積が近い値になったことがわかると、大きな歓声が上がっていました。
6年生の児童は「正確に測れて驚きました。今は機械ですぐ分かりそうなことだけど、昔の人は大変だったんだなと実際にやってみて思いました」と話していました。
また、別の児童は「こんなふうに計測されて年貢を取り立てられる農民はつらかったろうなと、教室で習ったときよりも感じました」と話していました。
茨城大学教育学部の千葉真由美教授の研究室では5年前から、江戸時代の検地の様子を描いた絵や、検地の記録などの資料を解読して当時の測量に使われた道具を再現し、具体的な手順にかかる時間やその精度について独自に研究を進めてきました。
検地の手順は、まず、土地の四隅に「細見」という茶色のほうきのような棒を立て、「細見」と「細見」の間に「梵天」という白い目印がついた棒を立てて、梵天どうしを「水縄」で結びます。
水縄が中央で直角に交差するように「十字木」で調整した後に、1間、およそ180センチメートルが測れる「間竿」で、四角形の縦と横の長さを測って面積を算出します。
千葉教授によりますと、江戸時代のはじめは全国的に、1間の半分まで記録していましたが、江戸時代後期、水戸藩の九代藩主、徳川斉昭は、尺・寸まで測らせた記録が残っているということです。
茨城大学の千葉教授は「検地の研究分野でも、実際に道具を作って手順を調べる研究は全国的にも珍しく、小学生に有効な体験型授業ができたので、多くの小学校に広げていきたいです」と話していました。
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