「私の人生、終わった」
生まれたばかりの我が子を抱いた時、そう思った。
手のモデルとしてCMや雑誌などで活躍していた金子エミさん(52)は27歳の夏、男の子を出産した。顔を見てすぐ、「もしかして」と思った。ダウン症だった小学校時代の同級生と顔の特徴が似ていた。
これからの人生、やりたかったことも、楽しいことも、もう何もできないんだな――。
絶望が胸に広がった。
東京パラリンピックの閉幕から5日で1年。障害があっても自分らしく生きられる社会に近づけたのでしょうか。ダウン症の水泳選手として活躍する村井海人さん(25)=文中敬称略=を育ててきた金子さんに尋ねました。後半では新型出生前診断についても触れます。
翌日、医師から「話がある」と呼ばれた。「鎖肛といって、肛門(こうもん)がふさがっています」。そのまま大きな病院に搬送され、肛門を開通させる手術を受けた。
手術後、医師から言われた。
「このままにしておくとまたふさがってしまうので、毎日お母さんの指でおしりの穴を通してあげてください」
医師は、金子さんの手を取った。
出産直前まで手のモデルの仕事をしていた金子さんの爪を見て、「なんでこんなに長いんだ! おーい、ハサミ持ってきて」。医師はその場でいきなりパチパチ切り始めた。
「この手でこの子を育ててい…
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