神奈川県1部、2部リーグの強豪チームから実力者たちが集う中、「自信はありました。(見てろよ、という気持ちで)プライド高くいかないと。負けていられないので」という鈴木は、ライバルたちよりも一段階上のスキルとスピード感。空いたスペースに顔を出して再三ボールを受けると、簡単にターンして前を向き、そこからキレのあるドリブルやコンビネーションによって相手の守りを攻略した。
紅白戦開始直後にいきなり左サイドを個で打開し、ファーストゴールを演出。視野の広さも示していた鈴木は狭い局面でもほとんどボールを失わず、状況を見てオープンサイドへボールを配給した。
守備も献身的で反応良くセカンドボールを拾い、味方の攻撃時間を増やしていた。そして、鋭い抜け出しから体重を乗せたパワーショットを打ち込み、関係者を唸らせるシーンも。終盤はやや疲れも見え、本人はFWとして得点できなかったことを悔しがっていたが、その名を印象づけるには十分な動きだった。
「シュートまでは行けたところと行けなかったところもあったんですけれども、そこまでは自分の動きを上手く出せたと思います。本職がFWなので、シュートを決めないといけないところが何本かあった」
伝統校・湘南工科大附(旧相模工大附高)では下級生時から出場機会を得て、今年は主将。3トップの中央のポジションを担っている。身長は170cmほどだが、FWガブリエル・ジェズス(マンチェスター・シティ)を憧れのプレーヤーに挙げる鈴木は攻撃的なチームの最前線で自分の特長を発揮し、ゴールを叩き出す。
「湘南工科大附のスタイルが)前から行く感じで、自分が中心になって動き出したら、全体が動き出すみたいな感じです。スペース空いていたら自分で行ったり、周りを活かしていく」。
昨年までは公式戦で活躍をすることができなかったという。それだけに今年は「自分の中では『暴れたい』という感じです」。新型コロナウイルス感染拡大の影響でアピールするチャンスが失われていたが、「高校生サッカー・大学合同トライアル-THE CHALLENGE- supported by 森永乳業」を自分の存在を知ってもらうチャンスとして参加し、インパクトを残した。
「チームを活かしながら自分の得点力だったり、裏の抜け出しだったり、自分の長所をもっと見て欲しいと思っています」。個人としては新たな自信を得る大学トライアルに。強力アタッカーは大学からの評価をより勝ち取るため、今後もアピールを続けていく。
(取材・文 吉田太郎)
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August 10, 2020 at 04:49AM
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