新型コロナ 対策追われる県内大学 :静岡 - 中日新聞

◆入学式中止や開講を延期

　新型コロナウイルス感染拡大を受け、県内の各大学が対策に追われている。四月一日現在、県内の十三大学が入学式の中止を決めているが、授業をいつ開始するか、ガイダンスの開催有無などの決断に頭を悩ませている。

　静岡大は授業開始日を二十三日に延期する。健康診断やガイダンスは予定通り実施するが「なるべく大人数になる場面を避けたい」と担当者は話す。

　常葉大は、書類配布や健康診断は予定通り。授業は二十日から開催する予定だが、ホームページなどで新入生歓迎行事などの各種行事や集会について「三つの密（密閉空間、密集場所、密接場面）が重なる場合は中止に」などと呼び掛けている。

　「三月後半に出た首都圏の自粛要請や、他県の大学で感染者が発生した様子を見ると、四月中の開始は難しいと判断した」と話すのは、静岡文化芸術大の担当者。授業開始は五月十一日を予定。ガイダンスは五月六〜八日、健康診断は五月以降としている。新入生の学生証や書類についても、四月中に郵送する形を取る。

　浜松医科大は、万全の対策を取った上で入学式を挙行する予定だったが、一日に中止を決めた。授業開始は当初の予定通り十三日からだが、全てオンライン授業に切り替える。オンラインに踏み切った理由について担当者は「医学部は科目数が多く、カリキュラムが過密。日程をずらすのが難しいため」と説明する。

　県立大は一日現在、十七日から授業を開始する。新入生全体のガイダンスは中止するが、学部ごとのガイダンスは分散して実施する。

　担当者は「新型コロナウイルスの感染状況が刻々と変化するので、各学部で対応を調整している。都度、学生などに向けてホームページやメールで周知をするが、いつ変わるか分からないというのが正直なところ」と困惑した様子だった。

（細谷真里）

◆浜松で「３密」避け花見やキャンプ

花見を楽しむ家族連れら＝浜松市中区の浜松城公園で

　新型コロナウイルスの感染拡大で、川勝平太知事が東京都など感染拡大地域への移動自粛を呼び掛けて一週間となった四日、浜松市内では桜の名所やキャンプ場など、屋外で家族だけで楽しめるような行楽地がにぎわった。感染リスクが高い密閉、密集、密接の「三密」を避けるように、晴天の下で羽を伸ばしていた。

　浜松市中区の浜松城公園には、桜を楽しもうと散策する家族連れらの姿があった。同市南区の無職岡部正秀さん（６４）は、孫の楓江羽（かえは）ちゃん（３つ）と桜を眺めながら日なたぼっこ。レジャーシートのまばらな広場を見て「コロナのせいか、人出はいつもの半分くらい」と嘆いたが、「最近は家とスーパーの往復なので、風に当たると気持ちいい」と目を細めた。

　小学五年の長男を連れた同市西区の男性会社員（４０）は「よく行く映画館も最近はご無沙汰。桜もきれいだし外は安心」と話した。

　見頃を迎えたさまざまな花が楽しめる浜名湖ガーデンパーク（西区）に、息子二人と訪れた男性会社員（５０）＝愛知県春日井市＝は「都会を避け、子どもが外で遊べる所を探していた。名古屋の人混みよりはいいとは思う」と話した。

　キャンプが楽しめる浜松市西区の市渚園は、午前九時半すぎにフリーサイト宿泊と日帰りの予約がいっぱいに。市内外から訪れた家族連れらが、広大な芝生にテントを張り、楽しげな声を響かせた。

（篠塚辰徳、糸井絢子、酒井大二郎）

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April 05, 2020 at 03:08AM
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