新たに「御殿山キャンパス・グローバルタウン」を今春、開設した関西外国語大学(大阪府枚方市)。同時に「関西外大流グローバル人材育成プログラム」をスタートさせ、英語による授業の拡充などを推し進めている。改めて今後の展望を谷本義高学長に聞いた。【大道寺峰子】
夢育む「地球の縮図」に
――オープンから半年あまり、新キャンパスの様子について教えてください。
新キャンパスは「学・食・住」が一体化した国際教育・交流の拠点です。緑豊かな約5万平方メートルの敷地に、カフェや図書館などが入る赤い洋瓦の低・中層の建物が並び、ヨーロッパの街並みのようになっています。開放感あふれるガラス張りの小教室が多く、学生の勉強意欲をかき立てるように設計されています。
中でも象徴的なのが、留学生と本学学生が一緒に暮らす「GLOBAL COMMONS 結―YUI―」です。留学生は基本的に9月からが新年度なので、8月末に新たなメンバーを迎えたところで、約40カ国・地域からの約260人が入居。枚方は京都、大阪、奈良にアクセスしやすいのが魅力で、欧米からの留学生が多いのが特徴です。
本学の学生約200人は、1年ごとの選考制になります。本学は留学する学生数で全国トップレベル。留学では留学先大学で現地学生とともに専門分野を学ぶのに対し、YUIでは日本に居ながら多様な文化に触れ、国際感覚を磨くことができます。部屋は個室で、共同のリビングやキッチンなどが工夫され、学生を中心にさまざまな交流イベントなども行われています。まさに「地球の縮図」で、従来型の寮では味わえない、貴重な体験ができると思います。うまく活用しながら、さまざまな結びつきを深めてくれることを期待しています。
留学生と「学・食・住」共有/幅広い視野持つ人材を
――1970年代から取り組み評価の高い、留学生向けの「アジアン・スタディーズ・プログラム」をベースに、さらに進化させた「関西外大流グローバル人材育成プログラム」を開講されました。
留学生だけでなく、新たに全学部の学生を対象としました。国際関係や歴史、経済など約70科目の授業を全て英語で行います。本学は全国でもトップレベルの54カ国・地域の大学383校と協定を締結。このプログラムは、それらの大学からの留学生を対象にした、少人数制の授業です。議論やプレゼンテーションを中心としたアクティブラーニング型で、各大学の単位認定基準を満たすハイレベルな内容です。授業は、新キャンパスと、約400メートル東にある中宮キャンパスの両方で展開しています。
グローバル人材として語学力が重要なのはもちろんですが、それ以上に大切なのが、まず多様な価値観を理解し、受け入れる寛容さだと思います。さらに多角的にアプローチする「コミュニケーション力」、客観的・論理的な思考力に基づき問題の解決方法を探る「ネゴシエーション力」、物事を前向きに推進していく「ファシリテーション力」の三つの力を兼ね備えた、真のグローバル人材に成長してもらいたいと考えています。
――今秋から始まった「サービス・ホスピタリティ業界のリーダー育成プログラム」についても教えてください。
背景にあるのは、インバウンド(訪日外国人客)の増加です。カジノを含む統合型リゾート(IR)などのホスピタリティー施設も今後増えていくでしょう。もともとホテルや観光業界は語学が生かせる職場として学生に人気で、これまでも大勢を送り出してきました。そうした中で、これからは単に英語で各国からのお客様とスムーズにコミュニケーションがとれるだけでなく、将来の幹部候補生としてより幅広い視野での対応力を持った人材が求められていると感じています。
そうした流れを受けて開講したのがこのプログラムで、これも全て英語での授業になります。2年生の秋学期からマーケティングや異文化マネジメントなど専門的な授業を受講してもらい、春休みには国内のホテルでのインターンシップ、3年の秋からは海外留学と海外のホテルなどでインターンシップを行ってもらう予定です。入学して1年あまりで選択の必要があるので、どのぐらいの学生が申し込んでくれるか正直不安もあったのですが、かなりの学生が意欲的に応募してくれ、手応えを感じています。
――今後の課題などを教えてください。
一般的に日本の大学生は内向きといわれますが、本学の学生は非常に外向きで、将来海外で働きたいといった夢をしっかり持っています。そうした学生たちの夢の実現を応援していくのが私たちの役割です。例えば、現在もいくつかの大学と「ダブルディグリー」(海外学位の同時取得)を行っていますが、さらに拡充していきたいと考えています。最近国内でもダブルディグリー制度を検討する大学が増えているようですが、そのためには日本国内の英語での授業などがポイントで、長年の実績がある本学が最も得意とするところです。奨学金制度をはじめ、すでにある制度も活用しながら、学生それぞれが「宝探しの場」として大学を活用し夢を実現してくれることを願っています。
リーダー輩出、高まる期待 米のIR大手関係者ら講演
関西外国語大学は11月27日、「サービス・ホスピタリティ業界のリーダー育成プログラム」の開講を記念した講演会を開催した。2025年万博の大阪開催が決まり、ホテル業界を中心に今後、人材争奪戦は必至だ。学生や業界関係者らからは高い関心が寄せられた。
この日は、カジノを含むIR大手の米「MGMリゾーツ・インターナショナル」F&B飲食部門責任者のアリ・カストラティ氏らが登壇。同社は大阪進出に意欲を示しており、IRとして平均的な客室数6000室、従業員1万人程度の規模になると説明。「管理職だけでも3000人程度が必要。日本人はこまやかなもてなしの心に優れる上、世界各国からの観光客やスタッフをつなぐ上でも日本人管理職の役割が重要」と語った。
また、米ハワイを中心に観光マーケティング業界に詳しいフランク・ハース氏は、業務の複雑化などを指摘。セントラルフロリダ大学の原忠之准教授は日本の労働力不足を踏まえながら、「管理職になるには経営の視点が不可欠で、能力がある人は待遇も全く違ってくる。このような産官学の取り組みは貴重で、学生にはぜひチャレンジしてほしい」と力を込めた。
外国語学部英米語学科2年の清水綾乃さんは「英語での授業は大変だけど刺激になる。海外のホテルでのインターンシップも楽しみで、夢に向かって頑張りたい」と話していた。
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December 27, 2019 at 01:23PM
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